1998 Fiscal Year Annual Research Report
レニウム・オスミウム法による白亜紀火成岩石および関連鉱床鉱物の年代学的研究
Project/Area Number |
10640438
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺門 靖高 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30127378)
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Keywords | レニウム・オスミウム法 / パルスカウンティング / 白亜紀花こう岩類 |
Research Abstract |
(1) 概ね申請書の研究計画に沿って研究を行ってきた.従来は,イオン電流を,微小電流計で測定していたが,今回の経費により,パルスカウンティング関連物品を購入し,質量分析計の改造を行った.また,コンピューターのプログラムを開発してパルスカウシティングが行えるようになった.さらに,ノイズ対策のため,ノイズカットトランスを導入し,改善を計った. (2) レニウム・オスミウムの化学的分離操作を従来と異なる方法に変更した.すなわち,四塩化炭素による溶媒抽出とマイクロディスチレーションを組み合わせた方法に変更した.このための予備試験およびブランク低減のための試薬の精製にもがなりの時間を要したが,オスミウムのブランクは,0.3ピコグラム,レニウムのブランクは,1ピコグラム程度に改善できた. (3) 黒鉱鉱床のオスミウム同位体比の測定を行い,その成果は,1998年10月に行われた日本地球化学会で発表した(講演要旨集p.130).オスミウム187/188比は,平均0.83と高い.このことは,海水の寄与によると解釈された. (4) 白亜紀花こう岩類について,測定を行った.しかし,全岩試料では現在のところ不可能であり,磁鉄鉱などの,有色鉱物を分離して測定しなければならないことが分かった.また,鉱物分離等準備段階で,鉄粉によると思われる汚染が確認できた.予察的結果では,オスミウム同位体比は,かなり低く0.2以下の値が得られた.今後さらに検討が必要であるが,次年度へむけて十分な準備が整ったといえる.
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