1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640440
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮田 雄一郎 山口大学, 理学部, 助教授 (60253134)
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Keywords | 歪み速度 / 泥質堆積物 / 地震 / 平面歪み圧縮試験 / 歪みの局所化 / 進行性破壊 / 三軸圧縮試験 / 間隙水圧 |
Research Abstract |
歪み速度は泥質堆積物の変形様式には影響がないと考えられてきた.しかし地震時を想定した場合,従来実験されたよりも速い歪み速度の変形も存在することから,ただちに歪み速度の影響がないとはいえない.そこで,高歪み速度下での泥質堆積物の変形様式を検討するために平面歪み圧縮試験を行ない,以下ことを明らかにした.すなわち,歪み速度が10^<-3>から10^0/sにかけて大きくなると,(1)歪みが局所化せず,広域的な変形に変わる.(2)少数の成長したせん断面から多数の微細なせん断面を形成する破壊,すなわち進行性破壊から同時多発的な破壊に変わる.(3)せん断面角(α)が70°から50°にかけて小さくなる.(4)せん断強度が大きくなる.この中で,(3)と(4)は力学的にみて矛盾した結果になっている.一般にせん断強度が大きければ内部摩擦も大きく,せん断面角が大きくなるが,この結果は逆の傾向を示す. そこで,この矛盾の説明と,高速せん断による破壊メカニズムの力学的解明を目的とし,間隙水圧と有効応力を計測できるKo圧密三軸非排水圧縮試験を行なった.試料にはカオリン粘土試料を用い,実験は圧密荷重3kgf/cm^2までKo圧密を行い,その後幅広い歪み速度条件下(ε=2×10^<-7>〜5×10^<-1>s^<-1>)で非排水せん断した. せん断後に薄片や軟X線による変形様式の観察も行なった.その結果,上記(1)〜(4)を再確認したほか,以下のことがわかった.(5)間隙水圧の発生量は歪み速度によらずほぼ一定であり,高歪み速度下で間隙水圧が急上昇するという予想は破棄された.(6)歪み速度10^<-3>s^<-1>以下ではせん断面角が変わらず,ある歪み速度以上で変形様式が顕著に流動的になることがわかった.
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