1999 Fiscal Year Annual Research Report
海底ドリルコアサンプルの鉱物・地球化学的研究による古環境変動の解析
Project/Area Number |
10640444
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
青木 三郎 東洋大学, 文学部, 教授 (50112917)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 宣彦 労働省, 産業医学総合研究所, 部長 (80133643)
|
Keywords | アラビア海 / ベンガル海底扇状地 / メキシコ湾 / 蛍光X線分析 / ドリルコアサンプル / 古環境変動 |
Research Abstract |
本研究は、堆積環境の異なる3海域、アラビア海、ベンガル海底扇状地、メキシコ湾で採取されたドリルコアサンプルを使用してそれぞれの鉱物・化学組成の分析結果から古環境変動を解析することを目的にして始められた。初年度は3海域の鉱物組成とアラビア海の化学組成の検討を行った。本年度はベンガル海底扇状地とメキシコ湾サンプルの化学組成の分析結果から古環境変動の解析を試みようとするものである。ベンガル海底扇状地のサイト717では800m以上の掘削サンプルが得られた。最下部の年代は後期中新世である。XFR分析結果から推定される古環境変動は、Fe/Al、Cr/Alで示される砕屑性アルミニューム珪酸塩は後期中新世で最小値を、鮮新世で最大値を示すがその後、洪積世に向けて減少傾向となり完新世では再び増大している。一方、有機物の指標となるCu/Alも砕屑性珪酸塩の変動と調和的である。さらにP/Alの燐酸塩の変動もこれらと調和的である。他方、粘土鉱物やシリカ鉱物の指標となるSi/Alは中新世で最大で鮮新世になると最小を示しそれ以降、増大傾向を示す。また、マイカ鉱物の指標となるK/Alも中新世で最大で末期で最小となりそれ以降増大傾向を示す。メキシコ湾のサイト615は長さ500mのコア.サンプルで最下部の年代は洪積世である。Fe/Al、Cr/Alは下部洪積世で高く、年代が若くなるにつれてともに低くなる傾向が認められる。一方、P/Alは下部洪積世では増減の繰り返し後、最大値となり再び増減を繰り返すパターンとなる。Si/AlはP/Alと類似のパターンを示す。最終年度は3海域サンプルの詳細な鉱物・地球化学的分析により古環境変動の解析を行う。
|