1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640445
|
Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
熊代 浩子 (岡崎 浩子) 千葉県立中央博物館, 地学研究科, 上席研究員 (10250135)
|
Keywords | 手取層群桑島層 / River-dominated delta / 化石壁 / 河川 / 氾濫原 |
Research Abstract |
石川県白峰村の"化石壁"(天然記念物)を含む手取層群石徹白亜層群桑島層の堆積相解析をおこない,堆積環境の推定をおこなった.桑島層は河川が支配的な三角州堆積物と認定される. ●堆積相;桑島層の砂岩泥岩互層は砂岩部,泥岩部の特徴と産出する化石から4つの堆積相群にわけられる.<下位から堆積相群A,B,CおよびD> ●堆積システム;堆積相群A〜Cは漸移的に重なり,全体に上方粗粒化する(西島峠,Loc.1).堆積相群D(化石壁,Loc.2)は堆積相群A〜Cの上部に対比されると考えられる.堆積相群A〜Dの砂岩層には斜交層理が認められ上方細粒化が普通にみられる。また,泥岩層中に含まれる化石は下部に海〜汽水棲の貝化石が,中部には植物根痕が多くみられ,上部に陸棲動物を含む豊富な化石相が認められる.以上のことから,堆積相群A〜Dは河川が支配的な三角州システム(River-domintated delta)の堆積物と認定され,三角州の前進によって形成されたと考えられる. ●"化石壁";堆積相群Dの層相が認められる.河川(堆積相Db)とその犯濫原(堆積相Da)の堆積物と考えられる.堆積相Daには産出する化石の種類と産状から3つのタイプの化石相(Bone bed I , II , III )が認められる.これらはそれぞれ氾濫原の中の河川の流入や排水システムなどミクロな堆積環境の違いを反映していると考えられる.
|