1999 Fiscal Year Annual Research Report
北海道の白亜系-第三系境界のシーケンス層序と化石相の変遷
Project/Area Number |
10640446
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安藤 寿男 茨城大学, 理学部, 助教授 (50176020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 助手 (00250978)
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Keywords | 白亜紀-第三紀境界 / シーケンス層序学 / 化石相 / 二枚貝化石 / 北海道 |
Research Abstract |
北海道の白亜系-第三系(K-T)境界付近の地層として,中頓別地域および天塩中川地域の蝦夷累層群最上部の函淵層群を対象として,堆積相解析,大型化石層序,化石相解析を実施した. 中頓別地域の函淵層群については,数年来にわたる野外調査結果を総合した,地質構造,岩相層序,大型化石層序に基づく地質図,地質柱状対比図を作成し,本邦の陸上露頭における白亜系のカンパニアン〜マストリヒシアン階で最も精度の高い層序区分を確立した.そして,この時代のアンモナイト,イノセラムス化石の産出層序を明らかにした.K-T境界の存在が指摘されてきた中頓別地域では,函淵層群上部に位置するマストリヒシアン階下部の上部に大きな浸食性平行不整合(シーケンス境界)があって,それを暁新統上部が覆っている.つまり,マストリヒシアン階最上部と暁新統下部が欠如しており,K-T境界は地層として存在しないことが判明した.不整合の基底には大半がタマキガイからなる浅海生二枚貝化石密集層が存在する.これは海進時の波浪侵食による残留性の再堆積群集である.暁新統上部と見なされる函淵層群の堆積相は白亜系と大きな違いがないため,蝦夷堆積盆の堆積システムは暁新世後期まで継続したことが判明した.しかし,堆積物の欠如期間にどんなイベントが生じたかは今後の課題である. 一方,天塩中川地域の調査はまだ途上段階であるが,中頓別地域の西方海岸側の浅海相が見られ数回のサイクルがあることが確認できた.これまでの研究よりはるかに詳細な浅海相分布を概括することができたが,今後は稚内地域も含めて調査域を広げ,中頓別地域や大夕張地域などとのシーケンス層序対比を進めていきたい.
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[Publications] Takahashi,M.,Crane,P.R.and Ando,H.: "Esqueirta futabaensis sp.nov.,a new angiosperm flower from the Upper Cretaceous (lower Coniacian) of north eastern Honshu,Japan"Paleontological Research. 3巻2号. 88-94 (1999)
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[Publications] Takahashi,M.,Crane,P.R.and Ando,H.: "Fossil flowers and associated plant fossils from the Kamikitaba locality (Ashizawa Formation,Futaba Group,lower Contacian,upper Cretaceous) of Northeast Japan"Journal of Plant Research. 112. 187-206 (1999)
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[Publications] Ando,H.and Aoki,N.: "Late Cretaceous (Cenomanian) bakevelliid bivalve,Pseudoptera acuticarinata (Nagao,1932) from the Mikasa Formation Middle Yezo Group in central Hokkaido,Northeast Japan"三笠市立博物館紀要 (Bulletin of Mika City Museum). 3号. 41-50 (1999)
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[Publications] 安藤寿男、近藤康生: "化石密集層の形成様式と堆積シーケンス-化石密集層は堆積シーケンス内でどのように分布するのか"地質学論集. 53号. 7-28 (1999)