1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640456
|
Research Institution | Institute of Natural History |
Principal Investigator |
木村 達明 財団法人自然史科学研究所, その他部局, 研究員 (40014849)
|
Keywords | 被子植物の出現 / 来馬型植物群 / 中生代植物群 / 混合型植物群 / 西中山型植物群 / 手取型植物群 / 領石型植物群 |
Research Abstract |
1.日本列島には、三畳紀、ジュラ紀および白亜紀植物群が分布する。これらのうち、(1)三畳紀植物群の層位学的分布は三畳紀初期から後期にわたり、それらの分類群組成は、揚子江流域、韓半島、中国東北部、沿海州南部のものときわめてよく似ている。しかし、黄河流域および中国東北部西部のものとは、分類群組成が異なる。 (2)ジュラ紀前期植物群は、その分類群組成から来馬型と西中山型に区分され、またジュラ紀後期植物群は手取型および領石型に区分される。 (3)白亜紀前期植物群は温暖適湿条件下で生育した手取型および熱帯性で乾季のある条件下で生育した領石型植物群に分類される。手取型植物群は中国東北部およびシベリア、領石型植物群は揚子江南部流域、東南アジアおよび沿海州南部に知られている。 (4)手取型および嶺石型植物群の間には両者の混合域があり、最古といわれる被子植物は、これら混合域植物群中に認められる。 2.(1)ユーラシア東部の中生代植物群の分類群はきわめて多種多様であるが、それらの分類群(属・種)は誤って記載されているものが多く、また本研究で識別された分類群の数は既知の分類群数の約2倍に達している。 (2)これらの分類群は当然のことながら、再記載および再検討を必要とし、本研究の本年度研究実績となりつつある。 (3)(2)の成果は、現在すでに6編の論文原稿として用意されている。
|