1999 Fiscal Year Annual Research Report
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10640456
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Research Institution | Institute of Natural History |
Principal Investigator |
木村 達明 財団法人 自然史科学研究所, その他の部局, 研究員 (40014849)
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Keywords | 中生代植物 / Cycadocarpidium / 栃窪層 / Oaxaka層 / Shemshak層 / 手取型植物群 / 領石型植物群 / 混合型植物群 |
Research Abstract |
(1)日本の中生代植物は広く分布し、またそれらの分類群もきわめて多種多様である。これらの植物はおもにOishi(1940)により記載がなされたが、現在の古植物学的知識によると分類上誤認されているものが多く、それらの再検討が内外の研究者によって要望されている。 (2)平成10年度以降、本研究により日本の中生代植物の再記載・再検討が進行中である。現在までに得られた成果の一部は、つぎのとおりである。 1)上部三畳系(成羽層群)産のCycadocarpidium新種記載。この新種は、苞葉に脈が2本しか認められないということで、他種とは区別される。 2)東北地方太平洋側の上部ジュラ系、栃窪層、荻ノ浜層、舞根層および小々汐層の植物化石の採集と再記載。とくに栃窪層からは多くの追加標本が得られ、その組成は、メキシコのOaxaka層(中部ジュラ系)、イラン北部のShemshak層(中部ジュラ系)のそれときわめてよく似ている。いずれも手取型植物群に豊富な、たかわらび科のシダ、いちょう目およびチェカノフスキア目に属する植物、およびPodozamitesの枝条は認められていない。かつて、ベネチテス目に属するとされたZamites megaphyllusは、今回の採集で得られたきわめて大型のPelourdeaであることが判明した。Pelourdeaは分枝することなく、葉は草質であり、かつて単子葉植物を想わせるYuccitesの属名が与えられたが、分類群は明らかでない。またかって、Pelourdeaは中生代型のCordaites葉であるとの考えがあったが、葉の基部の状態はCordaitesのそれとは異なる。 (3)中生代植物の分布上の特徴(古地理)は時代による変化が認められる。三畳紀初期のPelourdea植物群の分布はまだ確実には知られていない。三畳紀中〜後期では、黄河域と揚子江域とでは異なり、またその傾向はジュラ紀前期にまで及んでいる。ジュラ紀中・後期から白亜紀にかけては、手取型、領石型および混合型植物群の分布上のパタンが明瞭に示されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Park S.O.,Ohana T.and Kimura T.: "Coniferous shoot with scale leaves from the Yezo Group, Hokkaido, Japan"Preprint of the Palaeontological Society of Japan. 2000. 36 (2000)
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[Publications] Takimoto H.,Ohana T.and Kimura T.: "Supplementary description of plants from the Tochikubo Formation"Preprint of the Palaeontological Society of Japan. 2000. 35 (2000)