1998 Fiscal Year Annual Research Report
白亜紀-第三紀境界およびペルム紀-三畳紀境界堆積岩中の有機化合物と地球環境変動
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10640472
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三田 肇 筑波大学, 化学系, 助手 (00282301)
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Keywords | 白亜紀-第三紀境界 / ペルム紀-三畳紀境界 / 生物大量絶滅 / 地球環境変動 / ジベンゾフラン / アルキルジベンゾフラン / マレイミド / カルバゾール |
Research Abstract |
これまでに解析を行ってきた炭化水素類に比べより過去の生物活動の情報を得ることができると考えられる含酸素・窒素・硫黄化合物の分析・解析を目指し、はじめに比較的堆積年代の新しい新第三系新庄堆積岩を用てたフラン・マレイミド類の分析・解析方法の確立させた。その結果にもとづき白亜紀一第三紀境界(K/T境界)とペルム紀一三畳紀境界(P/T境界)堆積岩中の含酸素・窒素・硫黄化合物の分析・解析を開始した。 第三系新庄堆積岩中にジベンゾフラン・アルキルジベンゾフランを最大約600pmolg^<-1>検出した。最大約20nmolg^<-1>検出されたn-アルカンに比べ、十分の一以下の検出量であった。深度分布もn-アルカンと異なり、より浅く続成作用の弱い領域で多く検出した。マレイミド類を、溶媒抽出画分と不溶性画分をクロム酸酸化分解した生成物の中に、最大約10nmolg^<-1>検出した。特に、不溶性画分をクロム酸酸化分解した生成物の中に多く検出され、アルキル置換体も多く検出した。さらに、マレイミドとポルフィリンの深度分布が良い相関を示したことから、マレイミドがクロロフィル由来であり、光合成活性を反映しうることを示した。ホパノイドチオフェンらしきピークを検出したが含硫黄化合物に関しては、十分な解析結果が得られていない。 ジベンゾフラン・マレイミド類に加えカルバゾール類をK/T境界堆積岩に検出した。特に、カルバゾール類のK/T境界粘土岩層での検出量に著しい変化が見られた。この点を含め、さらに含酸素・窒素・硫黄化合物の分析・解析を進め、地球環境変動について考察を深めていく。 また、P/T境界堆積岩には硫黄含量が高いとの報告があるので、新規に試料採取を行った上で、含硫黄化合物の分析・解析を進めていく予定である。
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[Publications] MITA,Hajime: "Characterization of decarboxylic acids in the Cretaceous/Tertiary boundary sediments at Kawaruppu,Hokkaido,Japan and comparison with those of carbonaceous chondrites." Geochimica et Cosmochimica Acta. 62(in press). (1998)