1998 Fiscal Year Annual Research Report
超強静電場中のファンデルワールス分子の分光学的研究:分子ダイナミクス制御の試み
Project/Area Number |
10640482
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
陳 文初 茨城大学, 理学部, 助手 (40272108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天埜 堯義 茨城大学, 理学部, 教授 (60037249)
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Keywords | ファンデルワールス分子 / レーザー分光 / 強電場 / 分子配向 / 超音速分子線 |
Research Abstract |
空間的な分子の配向を電場を用いて制御することは,従来より,行われているが,本プロジェクトの最大の特長は,極端状態を用いて,ファンデルワールス(van der Waals)分子の量子力学的トンネル効果に基づく配向を研究することである。本研究の成果は,外部条件を操作し,分子を制御することにより,化学反応を特定の生成物の方向へ人為的に導く方法を見出す糸口にもなり得る。本年度(平成10年度)は2年計画プロジェクトの第一年目であり,大部分は装置全体の設置に必要な部品の調達および,そのテストにあてられた。真空槽および真空排気系はほぼ完成しよび実験を行った。天埜教授の協力のもと,超音速ジェット源を製作し,現在,イオン,フリーラジカルの生成テスト中である。このテスト結果をうけて副真空室の製作を次年度早々に行い,コリメートされた分子線を発生させる。本研究では,分子の吸収スペクトルを観測するために,赤外レーザー等を用いたオプトサーマル検出を計画しているが,検出器として使用するHeデュワーを我々の目的に適合するように改良中である。光源としては,近赤外領域および可視領域の半導体レーザー分光器がほぼ完成し,データ取り込み,装置制御プログラムを含めて当初の予定どおりに動作していることを確認した。次年度は,これらを総合したテストを実行し,特に,本プロジェクトのもっとも困難が予想される,高電圧印加セルの製作,テストを行う予定である。
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