1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゼーマン変調型高分解能フーリエ変換赤外光分光システムの開発
Project/Area Number |
10640493
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今城 尚志 九州大学, 理学部, 助手 (40213227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 武彦 九州大学, 理学部, 教授 (00011586)
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Keywords | フーリエ変換赤外分光法 / ゼーマン変調法 / 高分解能分光 |
Research Abstract |
理論的解析 交流磁場によるゼーマン効果により発光の波数に変調が加えられたとき、それを復調したときに得られるスペクトルについて理論的解析を行った。その結果スペクトルは関数f(x)をアポダイゼーション関数とした一次微分形になることがわかった。ここでf(x)=J_1(x)sin(x)でありJ_1(x)は一次のベッセル関数である。また交流磁場の位相 可動鏡の動きと同期させたときとさせないときのいづれにおいても同じスペクトルを与えることがわかった。また交流磁場の位相を可動鏡の動きと同期させたときに変調により生じる高調波成分をより容易に除去できることがわかった。 測定装置の製作 交流磁場によるゼーマン効果により分離したスペクトルを得るには500ガウス程度の磁場をつくる必要があり、測定セルの内径を15mmにすると比較的小さいコイルで磁場を発生することができる。そのため内径15mmの管を赤外光が通過できるように光学系を設計し、セラミックヒータ光源、レンズ、および凹面鏡を用いて製作した。最終的にはOHの発光をH_2Oから分離することが目的であるが、その前段階として安定なラジカルであるNOの赤外吸収スペクトルをゼーマン変調法を用いた測定を現在進めている。このためには吸収スペクトルを感度良く測定する必要があり、50cmの回折格子分光器を用い測定範囲を狭くすることにより検出感度を向上させることを試みた。その結果波数分解能を0.005cm^<-1>としたとき20回の積算(20分)で1%の吸収を測定することが可能となった。現在は磁場発生用のコイルの設計および製作、また測定セルの製作を行っている。
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