1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規共役π系直交型化合物の合成とその性質に関する研究
Project/Area Number |
10640513
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
黒田 重靖 富山大学, 工学部, 教授 (40089800)
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Keywords | 直交型芳香族化合物 / アルドール反応 / 伸長反応 / 1、4-ジアセチルアントラセン / 9、10-ジホルミルアントラセン / エグリントンのカップリング反応 |
Research Abstract |
研究実績の概要 本研究の目的物である新規なπ電子系直交型の化合物(1)の合成について10年度に達成した段階までを以下に示す。(1)は中心の芳香環と外周の共役系から成り立っているので、先当初の計画に従って10年度は直交する中心部分の官能基の導入を行った。 あ)出発原料として先ず9、10-ジアセチルアントラセン(3)を合成した。ジアセチル体の新規な合成法として9、10-ジホルミルアントラセン(4)をグリニヤール試薬との反応にょリジアルコール体(5)とした。この反応では興味有るエンドペルオキシド化反応が見つかったがこれについては別に報告する。次いで(5)をスワン酸化によりジアセチル体(3)へと導けた。次ぎに(3)のWittig試薬を調製するためにメチル基の臭素化を行ってジブロモメチル体(6)を得た。(6)とトリフェニルホスフィンとの反応を行ったところ塩ではなく還元された(3)が得られた。そこで塩基存在下、(3)と2-クロロベンズアルデヒド(7)とのアルドール反応により共役系の伸びた(8)が得られた。次いで(8)とビスボロモマグネシウムアセチレンとの反応によりカップリング反応による共役系を完全に繋ぎ(9)の合成を試みたが構造不明物であった。そこで1-エチニル-2-ホルミルシクロヘキセン(10)とのアルドール反応により縮合体(11)を得た。次に銅触媒によるエグリントンの還元的カップリング反応により共役系の繋がった(12)を42%の収率で得た。これはジカルボニルを有しているもののアントラセンと周辺の共役した系が直交した初めての系である。
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[Publications] S.Kuroda: "Thrmolytic Azulene Synthesis from Dimethyl 4-Morpholino-3,3a,8,8a-tetrahydroazulene-5,6-dicarboxylates and Its 1-Substituted Derivatives." Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol 71. 459-465 (1998)
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[Publications] M.Oda: "Rearrangements of Tricyclo[5.3.1.0]undeca-trienyl Anion; Chemical Evidence Supporting Cyclopropane Ring Circumambulation of Anionic Specie" Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol 71. 1959-1965 (1998)
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[Publications] M.Oda: "Synthesis and Reactions of 1,1-Trimethylene-1H-azulenium Ion" Tetrahedron Lett.Vol.39. 6195-6198 (1998)
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[Publications] T.Kajioka: "An Efficient Synthetic Pathway from Cyclohepta-1,3,5-triene to 2,3-Disubstituted 1,2,38-Tetrahydroazulen-1-ones" Synthesis. 184-187 (1999)
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[Publications] M.Oda: "Synthesis and Stability of 1,1-Tetramethylene- and 1,1-Pentamethylene-1H-azulenium Ions" Tetrahedron Lett.in press. (1999)