1999 Fiscal Year Annual Research Report
水酸基やカルボキシル基の保護を必要としない炭素一炭素結合生成反応の開発
Project/Area Number |
10640524
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Research Institution | Tokushima University |
Principal Investigator |
和田 眞 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10016173)
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Keywords | 保護・脱保護 / アリル化反応 / カルボニル化合物 / 三塩化ビスマス / 金属ビスマス / 無保護糖 / 炭素-炭素結合生成 / ホモアリリックアルコール |
Research Abstract |
本研究は水酸基やカルボキシル基の保護を必要としない、基質や溶媒の脱水操作を必要としない真に実践的合成プロセスを開発することを目的として行った。平成11年度においては次の結果が得られた。 1.カルボキシル基の保護を必要としない、即ち保護・脱保護を必要としないカルボニル化合物のアリル化反応 三塩化ビスマス-亜鉛存在化、ほぼ1当量の臭化アリルをカルボキシル基やカルボン酸のリチウム塩を含むアルデヒドやケトンと反応させると収率良く対応するホモアリリックアルコールやラクトンが得られることを見い出した。一般に、有機金属試薬はカルボキシル基と容易に反応するため、まずカルボキシル基を保護した後、必要な有機金属試薬を用いて望む反応を達成しなければならない。すなわち保護・脱保護の煩雑な過程が必要となるが、筆者らが見い出した反応はこの煩雑な保護・脱保護の過程を省略できることになる。 2.金属ビスマス存在下、臭化アリルを用いる無保護糖のアリル化反応 ジメチルホルムアミド中、金属ビスマス存在下、無保護の糖と臭化アリルを反応させたところ、糖のアリル化反応が円滑に進行することを見い出した。しかもいずれの場合も比較的良好な立体選択性でsyn体が主生成物として得られた。 以上のように、水酸基やカルボキシル基を保護することなく有機金属試薬を用いて炭素-炭素結合生成反応を達成することは、有機合成の簡便さと言う点から重要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 和田眞,三好徳和: "ビスマスやスズ化合物を用いる有機合成-含水溶媒中や水中での有機合成反応を中心として-"有機合成化学協会誌. 57. 689-697 (1999)
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[Publications] K.Kamiura and M.Wada: "Solvent-Mediated Chemoselective Reduction of Aldehydes by Using Tributylin Hydride in Methanol,Aqueous Organic Solvents,or Water: An Environmentally"Tetrahedron detters. 40. 9059-9062 (1999)
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[Publications] N.Miyoshi,M.Nishio,S.Murakami,T.Fukuma,and M.Wada: "A Convenient One Pot Allylation of Aldehydes with Allylic Halides Prepared in situ from Allylic Alcohols in the Presence of Metallic Bismuth"Bull.Chem.Soc.Jpn. 73. 689-692 (2000)