1999 Fiscal Year Annual Research Report
多中心活性部位を含む新しい修飾ヘテロポリ酸塩の分子設計と合成
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10640552
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野宮 健司 神奈川大学, 理学部, 教授 (80119354)
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Keywords | 修飾ヘテロポリ酸塩 / タングストポリ酸塩 / Dawson型 / バナジウム(V)置換体 / Cp^*RH^<2+> 基 / ベンゼン酸化 / 触媒前駆体 / チタン(IV)置換体 |
Research Abstract |
平成11年度の交付申請書に従って、置換金属イオンによる多中心活性部位を含む新しい修飾ヘテロポリ酸塩の分子設計と合成を行い、以下のような新しい知見・成果を得た。 1.バナジウム(V)三個を位置選択的にDawson型タングストポリ酸塩骨格中に置換した修飾ポリ酸塩(Bu_4N)_9[P_2W_<15>V_3O_<62>]を担体として、カチオン性有機金属種Cp^*Rh^<2+>基二つが担持された新しい化合物の合成法を明らかにした。これは従来のニオブ(V)三置換Dawson型ポリ酸塩の場合とは全く異なる合成法である。 2.バナジウム(V)を位置選択的にKeggin型およびDawson型ポリ酸塩骨格中に置換した種々の修飾ポリ酸塩を触媒前駆体に用い、過酸化水素によるベンゼン酸化反応に対する触媒作用を調べた。turnover-時間曲線において誘導期間を示すポリ酸塩と示さないポリ酸塩があり、後者の反応ではポリ酸からはずれたバナジウム種上で反応が進行することを明らかにした。 3.モリブデン骨格のポリ酸塩のバナジウム(V)置換体としてPettersson法によるポリ酸塩と従来から行われているエーテル抽出法により得られるポリ酸塩を用いたベンゼン酸化反応を調べた。反応性の観点からモリブドポリ酸塩バナジウム置換体の組成構造を考察した。 4.チタン(IV)三個を位置選択的にDawson型のポリ酸塩骨格中に置換した修飾ポリ酸塩[P_2W_<15>Ti_3O_<62>]^<12->のK塩およびBu_4N塩について分子量測定を行った。これらは当初考えられていた単量体ではなく、T_d対称の四量体であることを明らかにした。 5.これらの結果はいずれも学術論文に掲載される予定になっている。
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[Publications] K.Nomiya and T.Hasegawa: "Synthesis and Spectroscopic Characterization of(Bu^n_4 N)_5[(Cp^*Rh)_2P_2W_<15>V_3O_<62>]"Chem.Lett.,2000. (in press).
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[Publications] K.Nomiya et al: "Multicenter active sites of vanadium-substituted POM catalysts on benzene hydroxylation"J.Mol.Catal.,2000. (in press).
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[Publications] K.Nomiya et al: "Benzene hydroxylation with hydrogen peroxide catalyzed by vanadium(V)-substituted POMs"J.Mol.Catal.,2000. (in press).
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[Publications] K.Nomiya et al: "Synthesis and characterization of the tetrameric, Dawson polyoxotungstate,[P_2W_<15>Ti_3O_<60.5>)_4]^<36->"Inorg.Chim.Acta,2000. (in press).