2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640554
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石丸 臣一 筑波大学, 化学系, 講師 (10251034)
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Keywords | 層間化合物 / 低次元伝導体 / 粘土鉱物 / スメクタイト / フッ化四ケイ素雲母 |
Research Abstract |
1.合成フッ化四ケイ素雲母をホストとして用い、ゲストとして1,5-ジアミノナフタレンを用いた試料について合成を行った。合成された試料はほぼ黒色であり、電気伝導性を有する可能性が示唆された。この新規化合物について粉末を錠剤成型した試料を用い、直流電気伝導度測定を行った結果、室温で10^<-6>〜10^<-7>Sm^<-1>の伝導度を観測した。観測された伝導度は直流電流を通電しつづけても減少しないことから伝導性を担っているのはイオンではなく電子であることが明らかとなった。大まかな温度変化の測定からこの化合物の伝導性は半導体的な変化をすることが判明した。また、この試料を高温減圧下で放置すると伝導性を失い、大気中に放置することによりある程度伝導度が回復することが明らかとなった。これは、試料中の水分が電気伝導性に何らかの寄与をしているためであると考えられる。 2.ここまでの試料合成は、すべて芳香族アミンの塩酸塩水溶液にスメクタイトおよびフッ化四ケイ素雲母を懸濁させることによるイオン交換法を用いたが、新たに、溶液を使用しない固相反応による合成を試みた。この結果、芳香族アミンの塩を用いた場合にはいずれのアミンでも層間化合物の形成を見なかったが、アミンのままで反応を行なったときには、1,5-ジアミノナフタレンとの層間化合物を得ることに成功した。さらにこの化合物をヨウ素とともに放置することにより、1.で述べたものと同様の電荷移動型の黒色化合物を得た。 3.伝導性有機物として知られているBEDO-TTFについて2.と同様にフッ化四ケイ素雲母との固相反応を試み、層間化合物の合成に成功した。
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[Publications] T.Nihei: "Hydrogen Transfer in Hydrogen-Bonded Chloranilic Acid Studied by ^<35>Cl NQR-a 1:2 Complex with 1.4-Diazine"Chem.Phys.Lett.. 329. 7-14 (2000)
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[Publications] K.Gotoh: "Dynamic Behaviour of Triethylamine Molecules Adsorbed in Aluminophosphate (AlPO_4-5) and Silicoaluminophosphate (SAPO-5)"Phys.Chem.Chem.Phys.. 2. 1865-1869 (2000)
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[Publications] K.Kuchitsu: "Ionic Plastic Phases in Trimethylammonium Trifluoroacetate Studied by ^1H and ^<19>F NMR Spectroscopy. X-Ray Diffraction and Thermal Measurements"Phys.Chem.Chem.Phys.. 2. 3883-3885 (2000)
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[Publications] T.Nihei: "Hydrogen Transfer in a Hydrogen-Bonded 1:2 Complex of Chloranilic Acid with 1,2-Diazine Studied by ^<35>Cl NQR"Chem.Lett.. 1346-1347 (2000)