1998 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合を利用したナツスケール有機単分子膜パターン構築
Project/Area Number |
10640563
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
塚田 秀行 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (40171970)
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Keywords | 超分子 / 単分子膜 / 水素結合 / 有機薄膜 |
Research Abstract |
本研究は,固体(グラファイト)表面上に,有機分子で構成された特定の2次元配列(六方格子パターン)を持つ単分子膜を作ることを目的とした。 1. まず分子設計を行った。(1)基板のグラファイトと親和性のよい平面パイ電子系分子であること。そのため水素結合部位であるカルボキシル基をアセチレン基で結び,立体障害によるパイ平面のねじれを防ぐ。(2)環状の水素結合(2つの水素結合)により適度な強度と定まった方向性を持たせるため,カルボキシル基を水素結合部位として採用する。(3)配列パターンは,目的分子に,対称性のよい三方位性を持たせることで制御する。こうした条件に合致する目的分子として1,3,5-トリ(p-カルボキシルフェニルエチニル)-2,4,6-トリメチルベンゼンを考案した。 2. 次の経路に従い,目的分子の合成を完成した。 (1)1,3,5-トリヨード-2,4,6-トリメチルベンゼンとp-エチニル安息香酸[p-ヨード安息香酸エチルとトリメチルシリルアセチレンより合成した]を二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム-塩化第一銅触媒によりカップリングした。(2)水酸化リチウムにより加水分解し,出発のトリメチルベンゼンより約60%の収率で目的物に導いた。(3)目的物の構造は,質量分析,1H及び13C-NMRにより確認した。 3. 今後,高真空下で合成試料をグラファイト面に蒸着させ,単分子模試料とし,その表面観察をSTMにより行い,目的が達成できたかを確認する。
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Research Products
(1 results)