2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640564
|
Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡 邦雄 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (50090452)
|
Keywords | ポリシラン / 極性相互作用 / サーモクロミズム / コンフォーメーション / 冷却速度依存性 |
Research Abstract |
側鎖にオリゴエチレンオキシドを導入したポリシラン[{R-Si-(CH_2)_m-(OCH_2CH_2)_n-OCH_3}_x,R=Me,Et,Bu,n=0,1,2,3],のUV吸収スペクトルの溶媒効果を調べ、水素結合のない時には非極性溶媒中で主鎖が伸びて長波長側に吸収があらわれること、水素結合のあるときには側鎖のバルキーさが増大するため長波長側に吸収があらわれること(ソルバトクロミズム)が明らかになった。いずれも固体状態、および溶液中では非連続的なスペクトル変化のサーモクロミズムを示すが、LiCLO_4をと錯体を形成するとLi/Si比により異なるサーモクロミズムを示し、Li/Si>4では温度低下に伴いブルーシフトが見られること(イオノクロミズム)を明らかにした。 さらに[R-Si-(CH_2)_m-O-R]_x;[R-Si-{(CH_2)_m-(OCH_2CH_2)_3-O-R]_x型(R=アルキル基)のポリシランを合成し、サーモクロミズムとソルバトクロミズムの対応関係を調べて、水素結合形成が側鎖の見かけの大きてさを増してポリマー主鎖の運動性を制限するためにOrder-Disorder転移温度を異常に上昇させることが極性ポリシランのソルバトクロミズムの原因であることを解明した。 極性相互作用によるサーモクロミズムの詳細を明らかにするため、非極性の[R-Si-R] _x(R=アルキル基)のポリシランを用いて溶媒との相互作用によるサーモクロミズムを検討し、媒体の粘性による主鎖、および側鎖の運動性がサーモクロミズム現象に大きな影響を与えることを明らかにした。この研究を発展させて[R-Si-R]_x型ポリシランの低温における安定なコンフォーメーションが、熱力学的な効果だけでなく速度論的な影響を大きく受けること、冷却速度を変化さるてこれまで知られていなかった準安定状態が多数存在すること証明した。これの知見をもとにポリシランの低温側にコンフォー目ションを速度論的にコントロールできることを明らかにした。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Kanai: "A New Cooling-Rate Depending Thermochromism of Poly (dioctylsilane)"Chemistry Letters. 650-651 (2000)
-
[Publications] K.Oka: "Solvatochromism and Thermochromism of Non-ionic Polar Polysilanes"Journal of Organometallic Chemistry. 611. 45-51 (2000)