1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640565
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 順一 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90191311)
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Keywords | 分子間相互作用 / 飽和ヘテロ環 / TTFドナー / 分子性金属 / O,O-アセタール / モノ-アルキル化 / σ結合骨格 / アルキル基 |
Research Abstract |
本年度では、研究目的を達成するために次の研究を行った。 1.(DO-MET)_2AsF_6塩の構造と物性 分子平面に垂直に結合した五員環O,O-アセタールを有するDO-METから、低温(2K)まで安定な金属的AsF_6塩が得られることを見出した。この塩において、DO-MET分子はhead-to-headでスタックしてカラムを形成しており、カラム内およびカラム間には分子間相互作用の目安となるS・・・S接触が観測された。従って、ドナー分子に嵩高い飽和ヘテロ環が存在していても、二次元的ドナーパッキング様式が可能であることを明らかにした。 2.六員環O,O-,S,S-アセタールを有するTTFドナーの合成と新規分子性金属の開発 1で得られた結果を踏まえると、五員環アセタールよりさらに大きな置換基が導入されたTTFドナーからも分子性金属が得られる可能性がある。そこで、六員環O,O-,S,S-アセタールを有するTTFドナーの合成を行い、O,O-アセタールを有するTTFドナーから金属的ラジカルカチオン塩が得られることを見出した。 3.モノ-アルキル化されたTTFドナーの合成と新規分子性金属の開発 これまで、TTFドナーを拡張するためのσ結合骨格として、飽和ヘテロ環だけを活用してきた。そこで、その他のσ結合骨格として、単純なアルキル基(Me,Et,n-Bu,n-Oct基)に着目し、分子の対称性を考慮したTTFドナーのモノ-アルキル化法を開発した。合成したTTFドナーの内、エチル化されたTTFドナーから2種類の金属的ラジカルカチオン塩が得られることを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Jun-ichi Yamada: "Preparation of 4,5-(Alkylmethylenedithio)-1,3-dithiol-2-chalcogenones:Building Blocks for..."Tetrahedron Lett.. 40. 6635-6638 (1999)
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[Publications] Jun-ichi Yamada: "Development of Organic Metals Based on the Extended TTF Donors by the σ-Bond Framework"Mol.Cryst.Liq.Cryst.,in press. (1999)