1998 Fiscal Year Annual Research Report
gem-ジハロゲン化物と二価チタノセンを用いる有機チタン活性種の調製と反応
Project/Area Number |
10640573
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京農工大学, 工学部, 教務職員 (30211527)
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Keywords | gem-ジハロゲン化物 / 低原子価チタン / 二価チタノセン / カルボニル化合物 / オレフィン化 / 1-クロロ-1-アルケン / 1,1-ジクロロ-1-アルケン |
Research Abstract |
本研究は、gem-ジハロゲン化物と二価チタノセンを用いて、これまで調製が困難であったα、α-二置換アルキリデン錯体の新しい調製法を開発し、この活性な中間体と多重結合を持つ化合物との反応を組み合わせることにより革新的な変換反応を確立することを目的としている。10年度は、様々な炭素骨格を持つgem-ジハロゲン化物からのチタン-アルキリデン錯体の調製およびカルボニル化合物とのオレフィン化反応について詳細に検討を行ない以下の成果を得た。 1. gem-ジハロゲン化物から調製したチタン-アルキリデン錯体とカルボニル化合物との反応による四置換オレフィンの合成…gem-ジハロゲン化物に二価チタノセンを作用させたのち、カルボニル化合物、カルボン酸エステルを反応させるとそれぞれ四置換オレフィン、アルキル三置換ビニルエーテルが効率良く得られることがわかった。この結果から様々な骨格を持つgem-ジハロゲン化物からα、α-二置換アルキリデン錯体が調製できることが明らかになった。 2. クロロホルム、四塩化炭素から調製したチタン-アルキリデン錯体とカルボニル化合物とのオレフィン化反応による1-クロロ-1-アルケン、1,1-ジクロロ-1-アルケン類の合成…クロロホルム、四塩化炭素に二価チタノセンを作用させると塩素が置換したチタン-メチリデン錯体が生成し、カルボニル化合物との反応により1-クロロ-1-アルケン、1,1-ジクロロ-1-アルケンが収率良く得られることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤原 徹: "Carbonyl Olefination by Means of a gem-Dichloride-Cp_2Ti[P(OEt)_3]_2 System" J.Org.Chem.63・21. 7286-7288 (1998)
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[Publications] 藤原 徹: "Transformation of Ketones into 1-Chloro and 1,1-Dichloro-1-alkenes by Means of a Polychloromethane-Titanocene(II) System" Tetrahedron. 55. 2475-2486 (1999)