1999 Fiscal Year Annual Research Report
gem-ジハロゲン化物と二価チタノセン用いる有機チタン活性種の調製と反応
Project/Area Number |
10640573
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京農工大学, 工学部, 教務職員 (30211527)
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Keywords | gem-ジハロゲン化物 / 二価チタノセン / 環化反応 / シクロプロパン / カルボチタン化 |
Research Abstract |
本研究は、gem-ジハロゲン化物と二価チタノセンを用いて、これまで調製が困難であったα,α-二置換アルキリデン錯体の新しい調製法を開発し、この活性な中間体と多重結合を持つ化合物との反応を組み合せることにより革新的な変換反応を確立することを目的としている。11年度は、炭素-炭素二重結合を持つgem-ジハロゲン化物と二価チタノセンの環化反応について詳細に検討を行ない以下の成果を得た。 分子内に末端オレフィン構造を持つgem-ジハロゲン化物の環化反応:分子内に末端オレフィン構造を持つgem-ジハロゲン化物に二価チタノセンを作用させると、ビシクロ[n.1.0]骨格構造を持つ環化生成物が得られることがわかった。類似の構造を持つチオアセタールの場合には閉環メタセシスが進行することから、gem-ジハロゲン化物と二価チタノセンの反応によりチタンーアルキリデン錯体ではなくgem-ジチタン化合物が生成していると推定された。そこで、この反応の反応機構を明らかにするために分子内に末端オレフィン構造を持つハロゲン化物および1,3-ジハロゲン化物と二価チタノセンとの反応を検討した。その結果、分子内に末端オレフィン構造をもつハロゲン化物からは環化生成物が得られ、1,3-ジハロゲン化物と二価チタノセンとの反応ではシクロプロパンが高収率で生成することがわかった。この検討結果から、gem-ジハロゲン化物の二価チタノセンによって促進される環化反応はにgem-ジチタン中間体を経由して分子内カルボチタン化反応、1,3-ジチタン中間体の分子内カップリング反応が順次進行した結果であると考えられる。
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