1998 Fiscal Year Annual Research Report
高圧条件下で調製されるハイブリッド材料による高選択的分離場の構築
Project/Area Number |
10640595
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
蒲生 啓司 高知大学, 教育学部, 助教授 (90204817)
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Keywords | テンプレート / ハイブリッド / 高圧条件 / 分離 / 天然高分子 / 無機材料 / アルブミン / 固定化 |
Research Abstract |
本研究は、天然高分子の持つ特性を機能的分離場として発現させるべく、高圧条件下における無機材料とのハイブリッド化によって材料化し、それらを分離・分析化学的に評価することを目的とした。天然高分子については、それ自身が光学認識能を有するタンパクやポリペプチド、或いは高圧条件下において活性を発現する酵素、又はセルロースやキチンを初めとするポリサッカライド等を選び、無機材料としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びマグネシア等のゲル、及び粘土鉱物等が考えられるが、いずれも粒度分布の狭い、粒子径の整った球状粒子を選択した。高圧反応における最適化条件の設定にあたっては、加圧力値と加圧時間の他、加圧温度、溶媒、濃度等を反応のパラメーターとして適宜選択した。 本研究のねらいに沿って、実施方法は大きく二つの戦略をとった。一つは、タンパク分子へのテンプレート形成に関する検討であり、もう一つは酵素の固定化に関する検討である。本年度は、比較的小さい有機分子(ここではステロイド)の存在下、血清アルブミン及びシリカゲルの混合物を高圧反応に供し、アルブミンへの分子テンプレート形成を試みた。この際、テンプレート効果を最大限発揮し得る諸条件の検討を行い、テンプレートの形成及びその効果をクロマトグラフ的に評価した。その結果、テンプレート形成を液体クロマトグラフ的に確認することができたばかりでなく、生体分子間相互作用解析装置によってもテンプレートの存在を確認することができた。 未だ基礎研究の段階ではあるが、高圧条件下における酵素の固定化や、有機分子のタンパク分子へのテンプレート形成への方法論が新しく開拓された点で、今後最終目的である高選択的分離場の構築への道が開かれたものと思われる。
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[Publications] K.Gamoh and H.Kotsuki: "Molecular Template Formation on Serum Albumin under High Pressure Conditions" Chromatography. 19(2). 100-101 (1998)
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[Publications] K.Gamoh: "Enzymatic Activities of Glucose Oxidase Immobilized under High-Pressure Conditions" Seibutsu-kogaku. 76(10). 413-418 (1998)