1999 Fiscal Year Annual Research Report
MHCクラスIII領域のゲノム進化及びテネイシンXの機能解析
Project/Area Number |
10640603
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202328)
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Keywords | 細胞外マトリックス / テネイシンファミリー / VEGF / Sp1 |
Research Abstract |
我々は新規の細胞外マトリックスである、テネイシンX(TNX)の機能解析と分子進化的研究を行ってきた。TNXは全長約70kbの遺伝子にコードされ、分子量約450kDaの巨大な多機能型タンパク質である。TNXの生体内機能を明らかにするために、酵母を用いたtwo-hybrid法によりTNXと結合する分子の探索を行った。その結果血管内皮増殖因子であるVEGF-Bが得られた。生化学的な手法によってもTNXとVEGF-Bの結合が確認され、TNXはVEGF-Bの二つのオルタナティブスプライス・フォームであるVEGF-B_<186>、VEGF-B_<167>共に結合することが示された。また、VEGF-BはTNXと、VEGF-Bレセプター(VEGFR-1)の結合部位とは異なる領域で結合することが明らかとなり、VEGF-Bを介してTNXとVEGFR-1は三者複合体を形成することが示された。次に、ECV304細胞を用いて[^3H]-チミジンの取り込み実験によりVEGF-Bの増殖促進活性におけるTNXの効果を調べた。その結果全長のTNX、VEGF-B共存下では、VEGF-Bのみに比べ、細胞増殖活性が約5.4倍に促進することが明らかとなった。TNXは血管周囲でその発現が高く、TNXの機能としてVEGF-Bとの結合による血管形成の制御が示唆される。 次に我々は、TNXの遺伝子発現の調節機構の解析を目指し、プロモーター領域の解析を行った。まずマウスTNX遺伝子のプロモーター領域約3kbのデレーションクローンを作成しルシフェラーゼアッセイにより、プロモーター活性を測定した。その結果、TNXの遺伝子発現を正(誘導)に調節する領域として-141から-136の領域を同定し、転写因子Sp1結合配列に相同性を持つことが明らかとなった。次にSp1がこの-141から-136の領域に結合していることを生化学的に明らかにするために、ゲルシフトアッセイを行った。その結果正に調節する領域にはSp1が結合することが生化学的にも明らかとなり、TNX遺伝子の転写制御にSp1が関与することが明らかとなった。
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[Publications] Takeharu Minamitani et al.: "The transcription factor Sp1 activates the expression of the mouse tenascin-X gene"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 267. 626-631 (2000)
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[Publications] Mitsuaki Fujimoto et al.: "Structures and comparison of genomic and complementary DNAs of mouse MMSP, a c-Myc binding protein"Int. J. Onc.. 16. 245-251 (2000)
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[Publications] 松本健一: "細胞外マトリックス・テネイシンファミリー"道薬誌 北海道薬剤師会. 16. 4-11 (1999)
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[Publications] 松本健一、小原政信: "間充織に存在する細胞外マトリックス"「細胞外マトリックス-基礎と臨床-」 林利彦、小出輝編 愛智出版「. 146-161 (2000)
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[Publications] 松本健一: "血管新生、神経発生を司るIdファミリー"蛋白質核酸酵素 共立出版. 45. 70-71 (2000)