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1998 Fiscal Year Annual Research Report

アブラムシ個体群における近親交配の程度とそれが発生・形態におよぼす影響

Research Project

Project/Area Number 10640604
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

秋元 信一  北海道大学, 農学部, 助教授 (30175161)

Keywords近親交配 / 外交配 / クローン / 繁殖集団 / 局所的配偶者競争 / 単為生殖 / アブラムシ
Research Abstract

トドノネオオワタムシProciphilus oriensの繁殖集団は、メスに偏った性比のデータに基づいて、小さくパッチ化されており局所的配偶者競争が一般に生じていると考えられてきた。しかし、こうした仮定は性比データにだけ基づいており、この前提が検証されたことはなかった。本研究において、トドノネオオワタムシの有性世代に近親交配と外交配とを行わせて得られた卵の孵化率およびそのふ化パターンを調べることを通じて、本種の繁殖集団構造を明らかにすることを試みた。外交配由来の卵の孵化はきわめて早く起こり、孵化時期のばらつきも非常に小さいことが明らかとなった。これに対して、自殖由来の卵は平均的には孵化が遅れ、また孵化時期のばらつきが大きくなった。これら両極端の交配パターンと比較した場合、野外由来の卵の孵化パターンがどちらのパターンに近いかによって、その集団の交配様式を推定することが可能である。孵化実験の結果、本種の野外由来卵の孵化パターンは外交配卵の孵化パターンと大きな違いがなく、よって本種はほぼ外交配を行っていることが明らかとなった。さらに選別交配実験から、本種のオスは同じクローンのメスと非クローンのメスとを識別できないことが明らかとなった。したがって、こうした外交配は、基本的には本種の繁殖集団が大きいことと、またオスが生まれた場所からメスよりもはるかに遠くまで移動する傾向があることによって達成されていると考えられる。このことば本種のメスに偏った性比が局所的配偶者競争によって生じているのではないことを示唆している。ワタムシ科アブラムシでは、メスは春から秋まで続く単為生殖系列の出発点となることから、オスに対するよりもメスに対してsexuparaがより多く投資することから大きい利益が得られる可能性がある。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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