1998 Fiscal Year Annual Research Report
生息地の空間構造が有害遺伝子の蓄積に及ぼす影響・淡水産業巻貝を用いての検討
Project/Area Number |
10640608
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90204734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
館田 英典 九州大学, 理学部, 助教授 (70216985)
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Keywords | 集団構造 / 有害遺伝子 / 淡水産業巻貝 |
Research Abstract |
本年度、野外集団からの個体を使っての交配実験および野外実験の準備・開始した。 静岡市麻機沼および掛川市水田からPhya acutaを採集し、それぞれを隔離し、卵をとった。その卵から生まれた個体は、(1)2個体inbreeding,(2)2個体outbreeding,(3)5個体inbreeding,(4)5個体outbreedingにわけ、成長測定と交配を行った。さらに、そこから生まれた子どもF2を同様に上の4つに分けて交配を行った、その後生後約30日から、生まれた卵塊の数、卵塊の中の子どもの数を記録していった。 その結果、成長の速度は静岡市の麻機沼の貝の成長は早く、静岡市の個体は、高密度での成長はそれほど低下しなかった。それとは対照的に、掛川市の貝の成長は遅く、特に高密度では成長が有意に低下した。しかし、inbreeding depressionの効果は、麻機沼の貝の個体の方が高く、特に高密度においての卵の数は近親交配で著しく低下した。掛川市は水田であり、一時的に水がたまる環境である。水が少なくなったとき、近親交配が行われ、有害遺伝子が除去されているのかもしれない。 さらに、子の2つの個体群から採集した個体を野外の実験水槽に移入した。その実験水槽は(1)10の隔離した水槽、(2)隣接水槽間で1個体を交換する、(3)時折、ランダムに貝を入れ替える。という3つの処理を行った、現在、この実験では、個体数などを記録しており、実験は継続中である。
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[Publications] Kuwata, M.: "The effect of dispersal behavior in group selectir" Evolutinary Ecology Research. (in press). (1999)
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[Publications] Kawata, M: "Role of male dispersal in the evolution of bemale ultruistic behavior inviscaus pepulation" Ecological Research. 13. 367-375 (1998)
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[Publications] Ishibashi.Y,T.Saitoh, M.Kuwata: "Social Organizution of the vole Clethrioncmegs vubocauys and : is demographic and genetic Conscyuenus" Res. Populution Ecology. 40. 39-50 (1998)