1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640620
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川道 武男 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (00047333)
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Keywords | ヤマネ / ヒメネズミ / 冬眠 / 日内休眠 / 繁殖期 / 性比 |
Research Abstract |
長野県浅間山中腹に巣箱を252個設置して,平成11年度の調査ではヤマネ47頭,ヒメネズミ227頭を捕獲して追跡した.毎日、巣箱を見回って,次のことが明らかになった. ヤマネ(1)成獣密度は約0.7頭/haで,性比はほぼ1対1であった.(2)成獣は,2歳以上の個体がメスで44%,オスで64%を占め,長寿命が示唆された.(3)成獣メスの密度はカラマツ林とミズナラ林の境界付近で高かったが,成獣オスは,カラマツ林のメス密度の高い地域で多く発見された.(4)冬眠開始と終了の時期は,気温・性別・体重に左右されていた.(5)繁殖開始時期と出産回数は冬眠終了時期に影響されていた. ヒメネズミ(1)成獣の雌雄間に親密なつがい関係か見られ,大きなオスは大きなメスとペアを形成していた.(2)出産期は春と秋の2回見られた.(3)母メスの体重と出産直後の仔の平均体重とには,正の相関関係が認められた.(4)春の出産期では,大きなメスが早くに出産して,性比がオスに偏っていた.(5)春に生まれた娘の一部は,性成熟後も母親の行動圏内かその周辺に留まって繁殖した.(6)秋の出産期に産んだ母メスとその娘の体重と数には負の相関関係が認められた. ヤマネとヒメネズミの関係:(1)ヒメネズミとヤマネもしくはアカネズミとの同居があった.(2)異種間の同居は全てヒメネズミが巣材を運んだ巣箱で起こった.
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Research Products
(1 results)