1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640622
|
Research Institution | Suzugamine Women's College |
Principal Investigator |
桝井 秀雄 鈴峯女子短期大学, その他部局等, 教授 (80033843)
|
Keywords | 粘菌アメーバ / シアン耐性呼吸 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
粘菌アメーバは土壌や朽木中の細菌をエンドサイトーシスによって捕食し増殖する.本研究の目的は,その際放出される溶菌性物質を探索し,微小環境中で粘菌アメーバが行う細菌攻撃の機構を明らかにすることにある.本年度は1.溶菌活性の測定法の確立,2.溶菌性物質放出の条件調査,3.リゾチームの関与の調査,4.他の粘菌アメーバの捕食機構との異同の調査とaxenic化,等を目的とした.結果は次のとおりである[一部は日本微生物生態学会第14回大会(1998)で発表]. 1. 溶菌性物質の活性測定法の確立 (1) 溶菌斑(プラーク)法 溶菌斑を写真撮影して面積を測定することにより活性の強さを表現する方法を開発した. (2) 濁度法 細菌溶解による濁度の減少で活性を表現する方法を開発した.その際,従来用いてきたKlebsiella pneumoniaeよりも大腸菌の方がよいことがわかった. 2. 溶菌性物質放出の条件 シアン耐性呼吸の活発になる好気条件下で,放出が大きくなることがわかった. 3. リゾチームの関与の調査 熱耐性試験,遠心瀘過ユニットBiomaxを用いた実験等から分子量1万以上のタンパク分子の関与が示唆され,リゾチームも作用物質と考えられる.しかし,溶菌斑の実験からは二重の溶菌斑が観察され,拡散速度の異なる2種の分子が関与している可能性も示唆される.目下ゲル濾過で分画を試みている. 4. 他の粘菌アメーバの捕食機構の調査とaxenic化 目下二員培養株を作成しつつある.現在用いている株はほぼaxenic化している.
|