1999 Fiscal Year Annual Research Report
緑色硫黄細菌ホモダイマ-型反応中心の実態と酸素感受性に関する研究
Project/Area Number |
10640640
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
桜井 英博 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠元 範明 早稲田大学, 教育学部, 講師 (60277861)
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Keywords | 光合成 / 反応中心 / 緑色硫黄細菌 / 酸素感受性 / 鉄-硫黄クラスター / 閃光分光 / フェレドキシン / メナキノン |
Research Abstract |
緑色硫黄細菌Chlorobium tepidumから反応中心粒子(PS-C)を精製し、反応中心内外の電子伝達速度を閃光分光法により研究した。精製PS-C粒子はメナキノンを約1分子結合しており、キノンの機能を閃光分光法により研究したが、キノンがPS-Cで電子伝達体としての働いているという証拠は得られなかった。P840^+とF_A/F_B^-間の電荷再結合反応の見かけの速度は半減期数100ms、FX^-との間では5-10msであった。P840^+再還元は、電荷再結合によるもののほかに酸化された電子供与体に対する反応溶液中の還元物質による還元があり、これには還元された電子受容体から外部電子受容体への電子の漏れも影響するので、これらの諸要素の貢献度も見積もった。反応のPS-Cは酸素に対する感受性が高く、空気の存在下で光照射すると、ms領域でのP840の安定な電荷分離の量が減少したが、これは少なくともP840またはFxに破壊が起こっているものと解釈された。電子受容体側のF_A/F_Bにも破壊が起きているかどうかについては検討中である。4Fe-4S型フェレドキシン(Fd)をC.tepidumから3種、Heliobacillus mobilisから2種を精製し、その諸性質を調べ、N末端アミノ酸配列を決定した。これらのFdはいずれも酸性蛋白質で、C.tepidumの精製PS-Cによって光還元された。C.limicolaから精製されたFdは酸素感受性が非常に高く、空気中、4℃では5時間で半分が破壊されると報告されていたが、C.tepidumは比較的安定で同じ条件下での半減期は数日であった。一方、H.molibisのFdは酸素に対する感受性が高く、活性は24時間で半減した。
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