1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640648
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馳澤 盛一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40172902)
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Keywords | 表層微小管 / セルロース微繊維 / 微小管形成中心 / EF-1α / アクチン繊維 / BY-2細胞 / 孔辺細胞 / 細胞周期 |
Research Abstract |
表層微小管による植物細胞の形態形成・形態調節の制御機構を明らかにすべく、下記の2つの実験系(高度に同調化したタバコ培養細胞BY-2およびソラマメの孔辺細胞)を用いて研究を続けている。本年度(平成10年度)の研究実績については、以下の1)〜4)の通りである。1)ソラマメ孔辺細胞の表層微小管について詳細な観察を行なった。その結果、微小管のネットワークには明確な日周変化が認められ、気孔の開閉と密接な関係があることを初めて明らかにした(Fukuda et al.1998)。2)タバコ培養細胞BY-2では既にM/G_1境界期において、最初に核膜を起点とする微小管が細胞軸と平行に伸長し、その後に細胞板近傍より細胞軸に垂直な微小管が出現することを見出しているが、この過程におけるアクチン繊維の役割について検討し、その存在が表層微小管の正常な再構築に必須であることを示した(Hasezawa et al.1998)。3)表層微小管による細胞壁最内層のセルロース微繊維沈着の制御機構を検討する実験系として、BY-2細胞をタキソールで前処理して表層微小管の配向を固定した状態で細胞壁を除去したプロトプラストを作成し、セルロース微繊維を再形成させて各表層微小管との位置関係を蛍光顕微鏡および電子顕微鏡を用いて詳細に観察した。その結果、上記の制御機構について新しいモデルを提出した(平成10年度日本植物学会年会発表)。4)植物細胞のMTOCの機構を解明すべく、アスター形成能を持つ画分に含まれるEF-1α様の49kDaタンパク質とそのco-workerの機能解析を試みた。特に、49kDaタンパク質のMTOC能についてin vitro実験系での解析を行い、肯定的な結果を得た(Kumagai et al.in press)。また、MTOC能を示す上で必須な49kDaタンパク質のco-workerについては、アスター形成の中心となる粒子に含まれるタンパク質の主なものを選び、アミノ酸部分配列を決定した後に抗体作成を試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福田めぐみ: "Dynamic organization of microtubules in guard cells of Vicia faba L.with diural cycle." Plant Cell Physiol.39(1). 80-86 (1998)
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[Publications] 馳澤盛一郎: "The role of microfilaments in the organization and orientation of microtubules during the cellcycle transition from M phose to G_1phase in Tchaccc BY-2 cells." Protoplasma. 202. 105-114 (1998)
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[Publications] 熊谷史: "Putative involvement of a 49kDa protein in microtubule assembly in vitro." Eur.J.Cell Biol.(in press).