1999 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物における脳深部光受容体の局在と概日時計機構との関係
Project/Area Number |
10640666
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
大石 正 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (30112098)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保 智己 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (60188448)
|
Keywords | 脊椎動物 / 脳深部 / 光受容体 / 概日時計 / ロドプシン / レチナール / セロトニン / VIP |
Research Abstract |
平成10年度に得られた知見としては、(1)ウズラの視床下部をセロトニン抗体により、染色した結果、Paraventricular Nucleus周辺において強い免疫陽性を示す細胞集団が存在することが明らかとなった。また、これらの免疫陽性細胞の数が明暗周期の暗期より明期において多いことが明らかとなった。共焦点レーザー顕微鏡により、これらの細胞が神経突起を脳室に対して直角に伸ばしていること、また相互に連絡しあっていることがわかった。(2)VIP免疫陽性細胞がPraventricular Nucleusの下方に存在していて、その繊維を脳室に対して平行に伸ばしており、セロトニン陽性細胞と連絡している可能性が示唆された。Paraventricular Nucleusでは、ロドプシンに対する陽性反応を示す細胞が存在することから、これらの細胞が密接に関係している可能性が明らかとなった。 平成11年度に得られた知見としては、(1)カエルのロドプシンに対する抗体を作成し、これによりカエル脳の免疫染色を行ったところ、視床下部の視交差上核および視索前核が染色された。(2)また、ヒキガエル頭部の分泌腺が免疫陽性を示した。(3)これらの場所で蛍光法により調べたところレチナールの存在が示唆された。(4)ウズラの松果体のメラトニンリズムの光抑制に関与する視物質がピノプシンであることがアクションスペクトラム実験により明らかにされた。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Yamao,M.,Araki,M.,他3名: "Differentiation of pinopsin-immunor eactive cells in the developing quail pineal or gan: an in-vivo and in-vitro immunohistochemical study"Cell Tissue Res.. 296. 667-671 (1999)
-
[Publications] Okano,K.,Yoshikawa,T.他5名: "Immunocytochemical localization of visual pigments and HPLC analysis of retinal in the pineal,deep brain and skin of several species of anur an amphibians"In: Recent Progress in Mollecular and Comparative Endocrinology. 365-369 (1999)
-
[Publications] Okano,K.,Okano,T.他4名: "Diversity of opsin immunoreactivities in the extraretinal tissues of four anuranamphibians"J.Exp.Zool.. 284. 136-142 (1999)
-
[Publications] 金子智子、山ロ優子、守安紀子、大石正: "ウズラ胚の角膜上皮細胞分裂及び網膜メラトニンリズム"静岡県立大短大部研究記要. 12. 175-183 (1998)
-
[Publications] 大石正: "光シグナルトランスダクション"シュプリンガー・フェアラーク東京. 6 (1999)
-
[Publications] 大石正(編): "光と人間"朝倉書店. 184 (1999)
-
[Publications] 大石正: "生物の光環境センサー(シリーズ・光が拓く生命科学、第1巻)"共立出版. 165 (1999)
-
[Publications] 大石正、小野高明(編): "光環境と生物の進化(シリーズ・光が拓く生命科学、第2巻)"共立出版. (1999)