1998 Fiscal Year Annual Research Report
軟体動物由来のD-アミノ酸含有ペプチドfulicinおよびfulyalの生理・生化学的研究
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10640674
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Research Institution | Suntory Institute for Bioorganic Research |
Principal Investigator |
南方 宏之 財団法人 サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (90150143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 治 広島大学, 理学部, 教授 (80127711)
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Keywords | 軟体動物 / in situ hybridization / D-アミノ酸 / 神経ペプチド / 分解酵素 |
Research Abstract |
1.アフリカマイマイにおけるフリシンおよびフリアルの合成神経細胞および効果器官のの特定アフリカマイマイ神経節由来のD-アミノ酸含有ペプチド、フリシンおよびフリアルの前駆体タンパク質をコードする遺伝子をクローニングした。フリシンとフリアルは同じ遺伝子にあり、in situhybridization法によってフリシン前駆体遺伝子を発現している神経細胞を観察した。その結果、発現神経細胞は食道下神経節の体壁神経節のみに局在していることが明らかになった。また、Northernblottingによりフリシン遺伝子は、食道下神経節以外に心房でも発現していることが分かった。また、抗フリシン抗体を用いて心臓を免疫染色した結果、主に心房に免疫陽性を示す神経繊雑とバリコシティー構造が観察された。 2.フリシンおよびフリアルの分解酵素フリシンおよびフリアルの分解、不活性化に関与していると思われる酵素を神経膜画分より抽出した。祖抽出物から換算して22倍の比活性を示すまで精製した。この酵素は、EDTAによって活性を失い、Znイオンによって再活性化された。また、酵素阻害剤のうちフォスフォールアミドンおよびチオルファンによって阻害されたがカブトブリルでは阻害されなかった。これらの結果からこの酵素は、哺乳類のエンドペプチダーゼ24.1.1様の酵素であることが示峻されたが、pH依存性および二価金属の種類について噛乳類酵素と異なっていることが示された。
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