1998 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンザルの繁殖戦略:とくに配偶選択の要因について
Project/Area Number |
10640691
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大沢 秀行 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60027498)
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Keywords | 交尾戦略 / 順位 / 雌選好性 / 父子判定 / ホルモンアッセイ / ハインドインデックス / 雄間競争 |
Research Abstract |
今年度、霊長類研究所放飼群の若桜群に関しては、週三日早朝2時間の観察の中で、オス・メスの個体追跡調査を行った。調査の内容は、対象個体の他個体への接近および他個体から接近を距離ごとに記録(対象個体を中心とした1, 3,6mの圏内への出入り)、および交尾行動その他の行動の記録である。結果に関しては、現在分析中であるが、メスからの接近すなわちメスによるオスの選択の強さが発情メスの数に大きく依存している傾向が今回示された。このメスによる選択の強さはメスの順位との相関は少ないようであるが、その詳細は分析の結果を待つ。糞尿の採集については、観察後できうる限り採集に務めたが、必ずしも確実に対象個体の資料が採集されるとは限らず、次年度は何らかの技術的改良が必要である。 宮崎県幸島群においては、群に接近した群外オス2頭、群中の若オス1頭の追跡調査を行った。群外オスは群オスと比較的対等・敵対的な成オスと群オスとの距離をとっている若オスを対象にした。これも結果は分析中であるが、群れ内若オスについては、放飼群で以前に得た結果と似通った結果が得られた。幸島群についても糞尿の採集にできうる限り務めたが、これも採集方法に改良が必要であった。
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