1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650015
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大嶋 隆一郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (50029469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 史説 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (20275291)
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Keywords | シリコン / 結晶欠陥 / 急冷組織 / 原子空孔集合体 / 積層欠陥四面体 / 60°転位 / 高分解能観察 / 超高圧電子顕微鏡 |
Research Abstract |
Siを一部または完全融解状態から3通りの不法で急冷処理を行い、導入される結晶欠陥の電子顕微鏡観察、解析を行った。(1)超高圧電子顕微鏡内において2000℃まで昇温可能な高温試料ホルダーを使用してFZ-Si試料を部分的に融解させた後、急冷処理、(2)冷陰極電子銃を備えた電子顕微鏡内にて超高温試料ホルダーを用いて融解挙動の高分解能観察を行った後、急冷処理、(3)赤外線加熱装置を組み込んだ急速加熱、急冷装置を構築し、急速融解、急速冷却処理。超高圧電子顕微鏡内での急冷処理後、回収した試料中には原子空孔のクラスタリングを示す積層欠陥四面体、ヘリカル転位、60°転位などの特徴的な欠陥の形成を確認した。特に積層欠陥四面体は{111}上に集合した空孔クラスターからのステアロッド転位の作用で形成されることを結論し、高温において原子空孔の移動、集合が起こることを明らかにした。さらに{111}にのる60°転位は融解-凝固反応に伴う体拡散に寄与することを提案した。融解の高分解能観察においては、{111}固-液界面の原子ステップの運動による界面移動機構を直接観察すると共に不純物の混入によって形成される珪化物の表面拡散に伴う原子ステップ移動の抑制機構の作用を明らかにした。今回の実験で確認された化合物はタングステン珪化物であった。急速加熱、急速冷却装置による実験で回収した数mm径の小球から薄片を切り出し、化学研磨で調製した電子顕微鏡試料では{111}双晶帯、extrinnsic型{111}積層欠陥及び数nm以下の大きさの微小欠陥集合体が観察された。微小欠陥集合体の性質は不明であった。
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[Publications] H.Nishizawa,F.Hori and R.Oshima: "Lattice defects in silicon rapidly solidified from the melt"Physica B. 273-274. 383-386 (1999)
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[Publications] R.Oshima,F.Hori et al.: "In situ TEM observation of melting of silicon"Proc. 3rd symp. Atomic-scale and Interface Dynamics. 229-234 (1999)