1999 Fiscal Year Annual Research Report
Er添加SiCおよびGaNの光学的活性化と発光デバイスへの応用
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10650020
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
植草 新一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (10061970)
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Keywords | 半導体中の希土類 / ワイドバンドギャップ / エルビウムイオン / SiCおよびGaN / 光学的活性化 / 発光デバイス / フォトルミネッセンス / イオン注入 |
Research Abstract |
半導体中の希土類元素は外殻に遮蔽された4f殻内の電子状態の遷移による鋭い発光スペクトルを示す。特にエルビウム(Er)の第一励起準位から基底準位への遷移による発光はシリカ系光ファイバの最低損失波長帯である1.5μm帯に相当するため、光通信用超微細構造発光デバイスの実現にむけて本研究を行っている。今年度は主にワイドバンドギャップ半導体である6H-SiCおよび6H-GaNの2種類の単結晶材料にイオン注入法を用いてErを添加し、光物性の観点から発光特性を考察した。 1)6H-SiCでは室温において明確なErの発光が観測され、温度消光の改善には6H-SiCが適切であることを明らかにした。また、それらの消光特性について、60〜120K付近にかけては、すべてのピークにおいて発光強度が増加する現象が観測され、N,Oを共添加したものを含めて、添加量依存性の観点から詳細に比較検討し新たな知見を得ている。 2)6H-GaNに対してはEr添加を低加速エネルギー400keVで行い、Erドーズ量依存性および熱処理温度依存性を調べ、最適熱処理条件を求めた。また、2つの消光プロセスの考察を行い、カップリング係数および活性化エネルギーの値をそれぞれ求めた。さらに、ドーズ量依存性によるメインピークの消光割合を調べ、新たな知見を得ている。 3)今後の研究のため、電界発光素子作製のためのオーミック電極形成についても最適作製条件を検討した。 以上、Er添加SiCおよびGaNの光学的活性化と発光デバイスへの応用を目的とし基礎的な研究を行った。いずれも室温からの発光を確認したので、現在さらに発光強度を増加させるために素子構造作製プロセスの観点から検討を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Uekusa,K.Awahara, and M.Kumagai.: "Photoluminescence From Er-Implated Polycrstalline 3C SiC"IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES. Vol.46 No.3. 572-576 (1999)
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[Publications] S.Uekuza, T.HIRANO: "INFLUENCE OF OXYGEN ON Er-RELATED EMISSION IN GaN with A LARGE YELLOW BAND"Proceedings of the 18th Symposium on Materials Science and Engineering Research Center of ion beam Technology Hosei University. Vol.18. 71-76 (1999)
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[Publications] 小林剛、植草新一郎、熊谷正夫: "Er添加SiCの発光時間減衰"第60回応用物理学会学術講演会講演予稿集(甲南大学) 3P-ZF-11. 60th,No2. 816 (1999)
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[Publications] 平野智章、渡部剛大、植草新一郎、佐藤政孝: "Er添加GaN時間減衰への軽元素の影響"第60回応用物理学会学術講演会講演予稿集(甲南大学) 3P-ZF-15. 60th,No2. 817 (1999)
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[Publications] 小林剛、後藤貴之、西田和史、植草新一郎、沼田乾: "イオン注入法により作製したEr添加6H-SiCの発光"第47回応用物理学関係連合講演会予稿集(青山学院大) 28P-ZG-1. 40th,No2,No3,. (2000)