1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650047
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 光男 立命館大学, 理工学部, 教授 (30016604)
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Keywords | 色画像 / 色認識 / 色順応 / 色の恒常性 / 高齢者 |
Research Abstract |
色彩画像はいろいろな照明環境の下で作成される。たとえば赤っぽい電球色の照明下で写真を撮る。ところがその写真画像を白っぽい昼光色の下で観測するとずいぶん赤っぽい写真に見える。しかし写真を撮ったときの景色はそう赤っぽいものではなかったと思い出される。ではそのときはどれくらい赤っぽい景色と認識したか、その認識と同じ色画像を見せるにはどれだけ色をシフトして提示すればよいか。これが本研究の課題であった。実験では被験者に黄色の照明の順応室で室内を充分眺めさせ、ついで白色の照明の観測室に移動し、先ほどの黄色の照明を含むいろいろの色の照明下で撮影した順応室の写真画像を、観測室の照明が当たらないようにスライドで提示する。被験者は順応室で認識した順応室の色と同じ色のスライドを探すのが仕事である。 結果は以下のとおりである。(1)順応室照明と同じ色の照明で撮影した色画像はきわめて黄色っぽく、順応室で認識したその部屋の色とはほど遠い色である。これは従来一般に行われている色画像の提示方法、つまりどのような環境でもそこで撮影した色画像をそのまま観察させることは誤りであり、誤解を招くことを示している。(2)順応室で認識した色を異なった照明の観測室で認識させるためには、提示する色画像の色は、順応室の照明の色よりも相当観測室の照明の色の方向へ移動した照明下で撮影したものでなければならない。その移動量は被験者によって異なるが、xy色度座標上では、おおよそ両室の照明の色の差の1/3から1/2くらいである。
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