1999 Fiscal Year Annual Research Report
(Bi, Pb)_2Sr_2CaCu_2O_y固有ジョセフソン接合のノイズ分光法の研究
Project/Area Number |
10650054
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90241843)
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)
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Keywords | Bi_2Sr_2CaCu_2O_x (BSCCO)単結晶 / メサ型固有Josephson接合 / 準粒子電流分岐(ブランチ)特性 / 1 / fノイズ特性 / Andreev反射理論 |
Research Abstract |
Bi_2Sr_2CaCu_2O_x (BSCCO)単結晶は、超伝導層である約3Å厚のCuO_2層と12Å厚の非超伝導性(絶縁性あるいは半導体性)SrO層及びBiO層が交互積層した固有Josephson接合を形成している。本研究では、BSCCO単結晶表面にメサ型固有Josephson接合を光露光法とArイオンミリング法により作製し、その準粒子ならびにノイズ特性を調べた。一般の電子デバイスにおいて、その低・高周波ノイズの評価は、デバイス内の欠陥や電流輸送機構を知るための無侵襲診断ツールとして重要な事項であるが、これまでメサ型BSCCO接合のノイズ特性に関する報告は無かった。メサ型IJJの準粒子特性は、Andreev反射理論により解析し、ノイズ測定結果は、Hoogeの理論を用いて解析した。メサ型接合の電流-電圧特性上には大きなヒステリシスを有する準粒子電流分岐(ブランチ)が多数本観測された。この各ブランチに定電流バイアスして1/fノイズを測定した結果、ノイズ電圧パワースペクトルはブランチ数、即ち電圧状態にある接合数に比例して増加することを初めて見出した。これは、メサ内の接合間の相互作用による余剰ノイズが生じていないことを示唆しているが、各接合を隔てる超伝導電極厚さ(3Å厚のCuO_2層)が極めて薄いにも関わらず、互いに相関無く動作していることは驚くべきことである。また、接合1個あたりの1/fノイズパラメータをLow-T_c金属(Nb、NbN)系トンネル素子と比較を行った結果、BSCCOメサのノイズレベルはNb系素子に比べて約3桁大きく、NbN系素子と同程度であることがわかった。これは、BSCCOメサの1/fノイズが化合物系超伝導体には避けられない結晶の不完全性に起因することを示唆している。本研究で得られた結果は、現在、米国応用物理学会誌(Appl.Phys.Lett.& J.Appl.Phys.)に投稿準備中である。また、本年9月米国で開催される応用超伝導国際会議で成果発表する。
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[Publications] A.Saito,M.Abe,A.Irie,G.Oya and K.Hamasaki: "Low Frequency Noise Properties of Bi_2Sr_2CaCu_2O_y Intrinsic Josephson Junctions"Proc. 12th International Symposium on Superconductivity in Japan, FJP-36. (1999)