1999 Fiscal Year Annual Research Report
アキシコンプリズムを用いた表面プラズモンの局在化励起に関する研究
Project/Area Number |
10650055
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
久保 高啓 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (70225184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 伸治 広島国際大学, 保健医療学部, 助教授 (60237774)
岩田 太 静岡大学, 工学部, 助手 (30262794)
川田 善正 静岡大学, 工学部, 助教授 (70221900)
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Keywords | 表面プラズモン / 局在プラズモン / 光学顕微鏡 / 走査型プローブ顕微鏡 / 化学センサー / 単分子蛍光薄膜 / バイオロジー / 近接場光学顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、円錐形状を有するアキシコンプリズムを用いることにより、表面プラズモンを局在化するための原理を構築するとともに、走査型顕微鏡への応用を検討することを目的として、研究を進めてきた。これまで表面プラズモンは、金属薄膜表面に高い電場を形成する手法として、高感度吸収センサーや化学センサーとして利用されてきた。従来の表面プラズモンの励起法では、金属薄膜表面に表面プラズモンが一様に励起されるため、空間分解能を持たなかった。そこで、円錐形状を有するアキシコンプリズムを側面に金属を蒸着し、円錐の側面を表面プラズモンを伝搬させることにより、あらゆる方向から伝搬してくる表面プラズモンを同位相で重ね合わせることによって、頂点に表面プラズモンを局在化させる。 今年度は、走査型顕微鏡を実現するためのシステムの設計及び試作を行なった。表面プラズモンで励起した蛍光を効率よく集めるためには、高開口数の対物レンズを使用する必要がある。そこで、試料を正三角形の頂点の位置に配置した3本のチューブ型ピエゾを用いて高精度に走査できる構成とし、正三角形の中心位置に対物レンズを配置する構成とした。この構成により、高開口数の対物レンズを使用したときでも、十分対物レンズを試料に近づけることができるので、高効率で測定を行なうことが可能である。また、試料と、アキシコンプリズムとの距離を制御するために、全反射によるエバネッセント波を利用する手法を開発した。さらに、FDTD法を用いた数値シミュレーションにより、アキシコンプリズムを用いて、表面プラズモンを増強したときの電場増強効果について、解析を行なった。
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[Publications] S.Alasfar: "Polarization multiplexed optical memory by using urethane-ureacopolymers"Appl.Opt.. Vol.38・No.29. 6201-6204 (1999)
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[Publications] Y.Che: "Fabrication of surface reflief Grating with second-order nonlinearity using urethane-urea copolymer films"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.38・No.11. 6316-6320 (1999)
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[Publications] Y.Aoshima: "Two-way optical memory using urethane-urea copolymers"Opt.Commun.. Vol.165. 177-182 (1999)
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[Publications] Y.Kawata: "Three-dimensional optics for multilayered optical memory"Optical Memory and Neural Networks. Vol.8・No.1. 1-7 (1999)
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[Publications] Yoshimasa Kawata: "Non-optically probing near-field Microscopy"Opt.Commun.. Vol.161・No.1. 6-12 (1999)
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[Publications] Yoshimasa Kawata: "Feasibility of molecular-resolution fluorescence near-field microscopy using multi-photon absorption and field enhancement near a sharp tip"J.Appl.Phys.. Vol.85・No.3. 1294-1301 (1999)
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[Publications] Y.Kawata: "Light induced surface modification ofurethane-urea copolymers film as wirte-once optical memory"Jpn.J.App.Phys.Part 1.. Vol.38・No.3B. 1829-1831 (1999)
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[Publications] 川田善正: "有機材料を検出系として用いた近接場光学顕微鏡"応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス分科会会誌. Vol.10・No.2. 89-96 (1999)