1998 Fiscal Year Annual Research Report
高能率接合部の高温特性劣化メカニズムの解明と評価技術の確立
Project/Area Number |
10650071
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鴻巣 真二 茨城大学, 工学部, 助教授 (90091686)
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Keywords | クリープ / オーステナイトステンレス鋼 |
Research Abstract |
新たな接合法で、その優れた作業性と高能率性のためにフラックスを内包させるフラックス・コアド接合法(FCAW法)で作製されたType304溶接金属の高温劣化特性について研究を実施している。 フラックス・コアド接合法では、鋼中酸化物が多い、スラグ剥離性向上のためのBiの添加、δフェライト相の含有が多いなど、他の接合の場合とは異なる要因が多い。そこで本年度はBi含有の高温特性に及ぼす影響について着目して検討した。Biを多く含有している場合には、Biが粒界に深さ約15Åに渡って偏析しているのがオージェ分析により認められ、電子顕微鏡観察での分析では、デンドライト境界の沿ったマイクロ・クリープ割れが多く認められることから、低融点のBiが高温特性を著しく劣化させることが明らかになった。 平成11年度は、これらのことを踏まえて、さらに長時間時効によりδフェライト相からのσ相変態の高温特性劣化に及ぼす影響について明かにする。
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