1999 Fiscal Year Annual Research Report
窒化珪素セラミックスのき裂治癒現象に関する基礎的研究
Project/Area Number |
10650075
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
安藤 柱 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017992)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋 みんちょる 横浜国立大学, 工学部, 講師 (80293174)
|
Keywords | 窒化ケイ素 / き裂治癒 / 化学成分 / 高温強度 / イットリア / クリープ強度 / 疲労強度 / 治癒条件 |
Research Abstract |
窒化ケイ素の亀裂治癒挙動に及ぼす、化学成分系、雰囲気、亀裂治癒時間と温度、治癒可能な亀裂寸法、治癒部の疲労強度特性及び治癒部の高温強度特性を系統的に調査し、治癒特性が優れた窒化ケイ素を開発することが出来た。その概要は、以下の通りである。 (1)10種類の成分系を調査した結果、Y2O3とAl2O3を助剤とするものが優れた治癒特性を示す。特に、SiCを添加することにより、亀裂治癒能力は著しく向上する。 (2)亀裂治癒能力を真空、アルゴン、窒素及び大気中で調査した。その結果大気中でのみ亀裂が治癒された。 (3)最適の成分系はSi3N4/Y2O3/SiCであることが判明した。この成分系では、800℃(50時間)〜1400℃(1時間)で、直径200μmまでの亀裂を完全に治癒でき、強度が完全に回復した。なお、直径200μmの亀裂により、強度は半分以下に低下する。 (4)SiCを添加した窒化ケイ素(Si3N4/Al2O3/Y2O3あるいはSi3N4/Y2O3)の亀裂治癒部は、室温で十分な疲労強度を示し、大部分の試験片が母材部で破断した。 (5)亀裂治癒部の高温強度特性は、成分系に極めて鋭敏である。SiC添加のSi3N4/Al2O3/Y2O3系では1000℃間で、SiC添加のSi3N4/Y2O3では、1400℃まで十分な曲げ強度を有し、それ以下の温度範囲では、大部分が母材部から破断した。以上により、我々が開発した窒化ケイ素は亀裂治癒能力を有する構造用材料として実用可能である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K.Ando 他4名: "A preliminary study on crack healing behaviour of Si_3N_4/SiC composite ceramics"Fatigue Fracture Engng. Mater. Struct.. 21. 119-122 (1998)
-
[Publications] 安藤 柱 他4名: "窒化けい素セラミックスのき裂治ゆ現象に関する研究"日本機械学会論文集(A編). 64. 1936-1942 (1998)
-
[Publications] 安藤 柱 他4名: "窒化けい素セラミックスのき裂治癒挙動と治癒材の高温強度特性"日本機械学会論文集(A編). 65. 1132-1139 (1999)
-
[Publications] K.Ando 他3名: "Fatigue strength of crack-healed Si_3N_4/SiC composite ceramics"Fatigue Fract. Engng. Mater. Struct.. 22. 897-903 (1999)
-
[Publications] K.Ando 他3名: "Crack-Healing Behavior high-temperature and fatigue strength of SiC-reinforced Silicon nitride ceramics"J. Mater. Science Letters. (印刷中).