1998 Fiscal Year Annual Research Report
高強度CFRPの層間樹脂構造制御による高靭化と修復性の付与
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10650085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北條 正樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70252492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 忠信 科学技術庁, 金属材料技術研究所, 研究員
落合 庄治郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111925)
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Keywords | 複合材料 / 層間破壊 / 破壊じん性 / メゾ構造 / モードI / モードII / 界面層 / 樹脂 |
Research Abstract |
本研究では,層間樹脂層を制御してベースラミナとの界面領域まで拡散させ,炭素繊維の阻止によりき裂を高靭化層内にとどめ,層間強度を飛躍的に向上させることを第一の目的とする.さらに,複合材料構造物の長期使用では,疲労,衝撃等の損傷の修理が避けられない.このため,層間高靭化層を熱可塑性樹脂として,再溶着させることにより,修理可能なインテリジェント材料とするとともに,その修復後の信頼性向上を図ることを第二の目的とする.本年度の成果は次のように要約される. (1)層間樹脂層の界面層を制御した積層板のメゾ構造:CF/エポキシ積層板において,層間の樹脂層として,エチレンとメタクリル酸の共重合体の主鎖にZnイオンで中和されたカルボン酸基を付けたアイオノマーを用いた積層板を作製した.電子線マイクロアナライザによりアイオノマーのベースラミナ内の炭素繊維間への分散状況を測定した.成形条件を工夫することにより,高靭性のアイオノマーがベースのCF-/エポキシ層に侵入する形で,ベースCFRPの表層の炭素繊維1〜2本文くらの厚さに,界面層が形成されることを確認した. (2)層間樹脂層の界面層を制御した積層板の破壊力学特性:層間破壊じん性試験において,き裂は層間樹脂層とベースCFRPの界面,あるいは,界面から繊維1本文ベースラミナ内に入ったところを伝ぱした.すなわち,き裂は常にアイオノマーが混合し,高靭化された界面層内を伝ぱした.これに対して,靭性値はモードI,モードIIともベースCFRPと比べ著しく上昇した.また,これまでの材料で見られた,き裂進展ともに靭性値が減少する傾向も認められなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masaki Hojo: "Rate Dependence of Fracture Behavior in CF/Epoxy Laminates and Its Influence on Static Toughness Test Standardization" Proceedings of Fourth European Conference on Composites:Testing & Standardization. 148-157 (1998)
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[Publications] Takayuki Kusaka: "Rate Dependence of Mode I Fracture Behavior in Carbon-Fibre/Epoxy Composite Laminates" Composite Science and Technology. 58. 591-602 (1998)
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[Publications] Masaki Hojo: "The Role of Interleaf/Base Lamina Interphase in Toughening Mechanism of Interleaf Toughened CFRP" Proc.12th International Conference on Composite Materials. (1999)
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[Publications] 日下貴之: "炭素繊維/エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂の破壊じん性の負荷速度依存性とその相関" 日本機械学会論文集,A編. 64. 1625-1631 (1998)
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[Publications] 松田聡: "アイオノマーインターリーフ高じん化CFRPのモードI層間破壊じん性" 材料. 47. 1125-1130 (1998)
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[Publications] 松田聡: "層間高じん化CFRPのモードII層間はく離疲労に及ぼす水環境の影響" 日本機械学会論文集,A編. 64. 1639-1645 (1998)