1998 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物を利用した複合材料の射出成形生産システムの構築
Project/Area Number |
10650118
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
福本 功 琉球大学, 工学部, 助教授 (20101462)
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Keywords | 産業廃棄物 / アルマイト / スラッジ / 複合材料 / 射出成形 / 射出圧縮成形 |
Research Abstract |
本年度は射出成形機の金型内に型内圧が測定できる圧力センサーを取り付け、さらにプランジャーの位置や速度を検出できるよう射出成形機の計装化がなされた。そのため、プランジャーで押し出される際の金型内でのBMC複合材料の充填状況が把握され、成形体の機械的性質の良好なる最適成形条件が把握された。まず本年度は産業廃棄物として、アルミサッシの表面に皮膜を形成する過程で大量に排出されるアルマイトスラッジを取りあげた。実験はアルマイトスラッジにガラス繊維そして不飽和ポリエステルのBMC複合材料を作製し、スラッジの配合割合やスラッジの熱処理条件を種々変化させ、成形体の機械的強度に与える影響について検討した。すなわち、配合比や熱処理が異なると、BMC材料の粘性が異なるため、最適な射出圧力を設定することは難しいが、型内圧をセンシングすることにより機械的性質の良好なる成形体が得られた。まずBMC複合材料におけるアルマイトスラッジの含有量を10%から43%の範囲において変化させた結果、スラッジの含有量40%においては極めて良好な充填がなされ、ガラス繊維も極めて一様に分布するため引張り強度の高い成形体が得られた。また500℃で熱処理されたスラッジは結晶構造がγアルミナに転移し粒子サイズも極めて細かいことから、成形体の機械的強度は高く、成形体の品質も良好なることが見出された。また射出圧縮成形においては、金型に充填される充填量の設定が極めて重要であるが、金型内に設置された型内圧センサーを用いることにより充填状況のセンシングが可能なため、得られた射出圧縮成形体は射出成形体より機械的強度が高く品質の良好なる成形体が得られた。
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