1998 Fiscal Year Annual Research Report
医用微細素子の成形を目的とする鍛圧・切削複合成形システムの開発
Project/Area Number |
10650125
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
青木 勇 神奈川大学, 工学部, 教授 (30011159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊典 神奈川大学, 工学部, 助手 (10260994)
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Keywords | 複合加工 / せん断加工 / 切削加工 / マイクロマシン / 医用素子 / 医用鉗子 / はすかい工具 / 成形精度 |
Research Abstract |
1. 研究の背景と目的 本研究の目的は医用微細素子の成形を対象とする切削・鍛圧複合加工システムの構築と,その機能検証を通して広く世間に貢献できる技術の開発である.主たる狙いは高生産性と成形多様性(加工の高自由度)にある.医用素子は形状が複雑微細であり,製造工程は煩雑で生産経費も高い.高生産性を誇るプレス成形(せん断・鍛造)と加工自由度の高い切削の組み合わせにより,上に述べた問題の多くを解決しようとするものである. 2. 研究成果 2.1 システムの構築 鍛圧加エステージと切削加工ステージ及び回転金型ステージ,及びこれらと座標系を共通化した材料支持ステージからなる加工システムを構築した.材料支持ステージ上の材料が各加工ステージで加工される.座標系が共通であり,高い加工精度が容易に得られる特徴を持つ. 2.2 システムの機能と性能 鍛圧加エステージは打抜き,穴あけ,切り欠き等のせん断,及び圧縮鍛造加工が可能で大きな成形を短時間で成し遂げることができる.回転金型ステージでは単純形状工具の回転機能により複雑形状製品をせん断創成できる.切削は型成形が苦手な自由形状を主にエンドミルで加工する.検討項目は成形能力と成形精度である.成形自体は従来技術に負う部分が多く特に問題がない.加工精度は材料の加工位置指定精度と工具の精度及び剛性に依存する.特に前者の影響が大きく,これは各駆動系が持つ誤差の集積となり誤差伝搬則より計算される.本システムでは12μm以下と計算された. 医用微細素子は多岐に渡るが,多種多様な形状をもった製品を特定し,具体的機能検証を行った.ここでは医用鉗子部品であるグリッパを対象とした.これはワイヤ側面の歯切り,歯切り部のえぐり(スプーン状成形),平坦部創成,さらに外径打抜き等で完成するものである.構築されたシステムを用いた成形実験より,複雑且つ多様な形状創成が可能なこと,精度は計算値内に収まることが確認された.また微細切削用の工具としてはすかい工具を提案しその実用性を調べた
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Research Products
(4 results)
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[Publications] I.Aoki & T.Takahashi: "Development of Microforming System Using Mold Technology and Cutting Technology" Procceedings of SPIE. Vol.3511. 330-336 (1998)
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[Publications] 青木勇・高橋俊典: "微細素子成形を目的とする鍛圧・切削複合加工システムの開発" 1998年度精密工学会春講演論文集. 112 (1998)
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[Publications] 青木勇・高橋俊典: "単純かすかい工具の提案とその実用性" 1998年度精密工学会春講演論文集. 374 (1998)
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[Publications] 青木勇・高橋俊典ほか: "追い抜きせん断加工の研究" 平成10年度塑性加工春講演論文集. 93-94 (1998)