1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650138
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀江 三喜男 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00126327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 大揮 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60282860)
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Keywords | 三次元マイクロ運動変換機構 / 高集積 / 大変形弾性ヒンジ / ポリイミド / 櫛歯形静電アクチュエータ / マイクロマシニニング / CVD / RIE |
Research Abstract |
本研究ではマイクロマシニング技術を利用して,シリコン基板上に大変形弾性ヒンジによるマイクロ三次元高集積マイクロ運動変換機構を実現するために,三次元運動変換機構の基本となる基本機構とこの基本機構を動かすための櫛歯形静電マイクロアクチュエータの提案と理論的検討を行った.また,運動変換機構とアクチュエータの一体成形と,運動変換機構全体の更なる微小化を実現するために構造材料として弾性率が小さく弾性限界ひずみの大きいポリイミドを利用することを提案した. 選定した構造材料のポリイミドは高分子材料であり絶縁性の材料であるために,このまま静電アクチュエータとはなりえないので,ポリイミドで成形した構造に金属膜を蒸着することにより静電アクチュエータとしての機能を実現することを提案し,アクチュータ部の試作を行った.ポリイミドの成形は電子ビーム露光,ウェットエッチング,CVD(化学蒸着),RIE(反応性イオンエッチング),スパッタ技術を用いた.この際の各工程における製作条件の割り出しを行った.また,各種金属膜のポリイミドへの付着力を調べ,クロムの付着が良好であることを確認した.さらに導電性を高めるためにクロムと付着性の良い金をクロムの上に蒸着した.また,ポリイミドを用いたマイクロマシニングの問題点として硬化収縮と成形時の残留ひずみが原因で形状がゆがむことを確認した.つぎに,試作した櫛歯形静電マイクロアクチュエータ(代表寸法:800μm×400μm×20μm,最小形状寸法:2μm)に直流電圧を印加し駆動実験を行い,80Vで16μmの変位を確認した.この際,金属膜の剥離は認められなかった.これより,ポリイミドに金属膜を蒸着することで静電気駆動が可能な櫛歯形静電マイクロアクチュエータが実現可能であることを示した.
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