1999 Fiscal Year Annual Research Report

先進アルミニウム合金基複合材料の摩擦・摩耗特性に関する研究

Research Project

Project/Area Number	10650153
Research Institution	Fukuoka Institute of Technology
Principal Investigator	後藤穂積福岡工業大学, 工学部, 教授 (60026101)
Keywords	アルミニウム合金基複合材料 / 摩擦・摩耗 / トライボロジー / 湿度 / 潤滑油 / アルミナ短繊維 / 水環境 / グラファイト
Research Abstract	先進摺動材料として期待されているアルミニウム合金基複合材料の摩擦・摩耗特性を系統的に調べることを目的にして、平成11年度ではまず、耐摩耗性に優れたAl-Si合金を基材としたアルミナ短繊維教化Al1合金基複合材料及びAl合金-グラファイト複合材料のフレッティング摩擦・摩耗特性を調べた。空気中で相対すべり振幅を変数としてフレッティング試験を行い、試験中の摩擦係数や試験後の摩耗痕寸法、摩耗深さなどを測定した。これらの結果から、フレッティング運動に伴う摩擦・摩耗に関する諸量を求め、基材のAl-Si合金や相手材の軸受鋼の摩擦・摩耗特性と比較して、上記複合材料のフレッティング特性に及ぼす相対すべり振幅の影響を考察した。その結果Al合金-グラファイト複合材料の摩擦係数(≒0.2)はアルミナ短繊維複合材や基材と比較してかなり低く、空気中でも摺動材としての使用が期待される。また、摩耗率は低すべり振幅域で他の2つの材料と比してやや大きいが、相手材の鋼球に全く損傷を及ぼさない。これはAl合金-グラファイト複合材料中のグラファイトが保護皮膜として相手材に付着するためである。アルミナ短繊維教化Al1合金基複合材料の摩擦係数(0.55-0.7)はやや高い。摩耗率は他の2つの材料と比してかなり小さいが、相手材の鋼球の摩耗を著しく増大させる。これはアルミナ短繊維やその破片のアブレシブ作用によるためと考えられる。つぎに、ピン試験片にAl合金-グラファイト複合材料を、ディスク試験片に軸受鋼を用いて、接触荷重一定の空気中及びArガス中で相対湿度を変数として、またイオン交換水中で、一方向すべり摩擦・摩耗試験を行った。試験中すべり運動に伴う摩擦と摩耗の変化を測定し、得られた結果からふん囲気中の酸素と水分の影響を調べた。その結果、空気中の摩擦係数は低相対湿度で高く、相対湿度の増加と共に低下し、相対湿度50-60%の範囲で極小値を示し、高相対湿度で上昇する。Arガス中の摩擦係数は相対湿度20%以上で一定値をとる。イオン交換水中の摩擦係数はガス環境中と比較して低い。空気中及びArガス中の摩耗率乾燥状態で極めて高く、相対湿度の増加と共に低下し、相対湿度40-60%付近で極小値が見られ、70-80%で摩耗率は増大する。Arガス中と空気中の摩耗率には大差がない。空気飽和状態のイオン交換水中の摩耗率は空気中の相対湿度70%での摩耗率での摩耗率にほぼ等しく、腐食摩耗が生じていると考えられる。Ar飽和状態のイオン交換水中では腐食摩耗が緩和され、摩耗率は空気飽和状態より低い。

Research Products
(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] H.Goto and S.Omori: "Friction and Wear Characteristics of Aluminum Alloy Impregnated Carbon Composite"Trans.of ASME,J.of Tribology. 121. 294-300 (1999)
[Publications] H.Goto,S.Omori and K.Uchijo: "Effects of Humidity on Friction and Wear of A1-Si Alloy Impregnated Graphite Composite"Applied Mechanics and Engineering,Specia Issue; NCBS '99. 4. 139-145 (1999)
[Publications] H.Goto,S,Omori: "Tribological Charcteristics of Particle- and Chopped Fiber-Reinforced A1-Si Alloy Matrix Composites"Trbology Transactions,STLE. 43. (1999)
[Publications] 後藤穂積、大森舜二、藤代尚宏: "アルミニウム合金基複合材料のフレッティング摩擦(相対すべり振幅の影響)"日本機械学会1999年度年次大会講演論文集(I). No.99-1. 273-274 (1999)
[Publications] 後藤穂積、大森舜二、内城憲治: "アルミニウム炭素複合材料の摩擦・摩耗特性(各種環境中における摩擦・摩耗挙動)"日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集、'99秋高松. 127-128 (1999)
[Publications] H.Goto,S.Omori and K.Uchijo: "Wear Behavior of Al-Si Alloy Impregnated Graphite Composite"1999 STLE/ASME International Tribology Conference,Kissimmee,Florida,USA. (1999)

1999 Fiscal Year Annual Research Report

先進アルミニウム合金基複合材料の摩擦・摩耗特性に関する研究

Principal Investigator

後藤 穂積 福岡工業大学, 工学部, 教授 (60026101)

Research Products

[Publications] H.Goto and S.Omori: "Friction and Wear Characteristics of Aluminum Alloy Impregnated Carbon Composite"Trans.of ASME,J.of Tribology. 121. 294-300 (1999)

[Publications] H.Goto,S.Omori and K.Uchijo: "Effects of Humidity on Friction and Wear of A1-Si Alloy Impregnated Graphite Composite"Applied Mechanics and Engineering,Specia Issue; NCBS '99. 4. 139-145 (1999)

[Publications] H.Goto,S,Omori: "Tribological Charcteristics of Particle- and Chopped Fiber-Reinforced A1-Si Alloy Matrix Composites"Trbology Transactions,STLE. 43. (1999)

[Publications] 後藤穂積、大森舜二、藤代尚宏: "アルミニウム合金基複合材料のフレッティング摩擦(相対すべり振幅の影響)"日本機械学会1999年度年次大会講演論文集(I). No.99-1. 273-274 (1999)

[Publications] 後藤穂積、大森舜二、内城憲治: "アルミニウム炭素複合材料の摩擦・摩耗特性(各種環境中における摩擦・摩耗挙動)"日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集、'99秋高松. 127-128 (1999)

[Publications] H.Goto,S.Omori and K.Uchijo: "Wear Behavior of Al-Si Alloy Impregnated Graphite Composite"1999 STLE/ASME International Tribology Conference,Kissimmee,Florida,USA. (1999)

後藤穂積福岡工業大学, 工学部, 教授 (60026101)