1998 Fiscal Year Annual Research Report
発声の力学的モデルの精密化の研究:声帯の自励振動と声道での共鳴を考慮したモデル
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10650168
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松崎 雄嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70175602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆美 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30101843)
新美 成二 東京大学, 医学部, 教授 (00010273)
池田 忠繁 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40273271)
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Keywords | 生体力学 / 声帯振動 / 振動空気理論 / 流路実験 / シミュレーション解析 |
Research Abstract |
従来行ってきた声帯の振動を考慮した発声の力学的解析を発展させ、病的原因により左右の声帯振動が不均等になって生ずる複雑な音声障害の研究を行うため、狭窄部分の左右の壁が不均等に振動する理論を提案した。その理論を用いた数値シミュレーション解析により、振動圧力・流速分布、剥離・再付着などの計算を行った。また、正常および病的な発声のデータを計測し、上述の数値シミュレーション解析結果と比較・検討を進めた。 本年度の研究の内容 1) 左右不均等な声帯模型を用いた圧力測定 現有の空気用流路装置の声帯を模擬した測定部を狭窄部分の一方の壁が振動するものに改修を行った。圧力計測では、新規に圧力計と信号増幅器を購入し、計測精度向上のため、まず定常流について基礎的データを取り、次に非定常な場合については予備的な計測を行った。 (担当:松崎、池田) 2) 流れの可視化、流速分布の計測 現有の水用流路模型を用い、作動流体内に微粒子を混ぜ、現有のレーザ光源、光学系、パルス発生装置を使用して得られるレーザライトシ一トを用いて流路の任意の断面を照明し、流れを可視化し、流れを現有のビデオで撮影し、映像より流れの剥離・再付着領域の位置を計測した。また、映像上の同一粒子を追跡し、流跡線より速度分布の計測を行った。(担当:池田、松崎) 3) 当該研究代表者らの提案した従来の正常な声帯モデルに変更を加え、左右不均等な振動をする声帯の解析モデルを確立し、予備的数値シミュレーションを行った。(担当:山口、池田) 4) 正常及び病的な声帯の場合の声門上下圧力および流量の計測などを行った。(担当:新美、松崎)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tadashige Ikeda: "A One-Dimensional Unsteady Separable and Reattachable Flow Model for Collapsible Tube-Flow Analysis" Journal of Biomechanical Engineering. (1999)
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[Publications] Yuji Matsuzaki: "Experiments on Steady and Oscillatory Flows at Moderate Reynolds Numbers in a Quasi-Two-Dimensional Channel with a Throat" Journal of Biomechanical Engineering. Vol.120. 594-601 (1998)
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[Publications] 山口 隆美: "血流と血管壁の力学的相互作用の計算バイオメカニクス" 計算工学. 3(1). 8-15 (1998)
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[Publications] 山口 隆美: "血流のシミュレーションと動脈硬化" 血管と内皮. 8(3). 11-18 (1998)