1998 Fiscal Year Annual Research Report
管内流体脈動による長手方向拡散制御と現象の表示法に関する研究
Project/Area Number |
10650173
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲葉 武彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 賢一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90294032)
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Keywords | 管内流 / 脈動流 / 熱伝達促進 / 管束 / 波状管 / 応答遅れ |
Research Abstract |
高温及び低温液体を入れた二つのタンクを細長い管でつなぎ,管内の液体に脈動を与えると,高温側から低温側への熱伝達が大幅に促進される.これまで,単一の円管あるいは二次元流路について研究がなされ,熱伝達量は脈動振幅の自乗と管軸方向温度こう配の積に比例することなどが明らかになっている.実際の装置では多数の管からなる管束が用いられるので,先ず,管束による熱輸送特性を解析した.円管束の場合,管外にすき間ができ,その部分では熱伝達特性が低くなるので,円管以外に,空間をすき間無く埋めることができる正三角形,正方形,正六角形断面の管を考えた.管断面積,管壁厚さと脈動振幅を同一にした解析から,単一の管としては三角形管がもっとも熱伝達量が大きく,境界層厚さがこの装置の性能を左右することが分かった.管束としての解析結果から,管断面形状以外にも管材料の熱伝導率,管壁の厚みなどもこの装置の性能に大きな影響を与えることが分かった.次ぎに,管壁が波状に変化する管を考え,断面形状の軸方向変化が熱伝達特性に与える影響を調べた.波状管の波数,波状振幅,流体脈動振幅,流体脈動周波数などについて調べた.調べた範囲では,波状管の波状振幅が大きいほど軸方向熱伝達が促進された.また,熱伝達量は液体脈動振幅や脈動周波数の変化に応じて変化するが,このときの応答遅れも波状管の波状振幅が大きいものほど小さかった.この装置では液体脈動振幅や脈動周波数を変えることで,熱伝達量を制御することができるが,波状管を採用することで応答遅れを小さくできることが分かった.一方,波状管の波数の影響は振幅の影響に比べ比較的小さかった.波状管でも流体脈動振幅の自乗に比例して熱伝達量が増大する性質は維持された.
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Research Products
(2 results)