2000 Fiscal Year Annual Research Report
超高温気流中の物体の変形に伴う空力挙動と表面改質の研究
Project/Area Number |
10650176
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川添 博光 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40260591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 佳朗 名古屋大学, 工学部, 教授 (80115609)
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Keywords | 高温気流 / 極超音速 / 基本形状物体 / 表面改質 / 空気力学 / 分光計測 / 抵抗係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,極超音速輸送機やスペースプレーンの開発にとって鍵となる高温気流による熱負荷時の空気力学,および環境対策や新しい素材開発としての高温気流を利用した物体の表面改質に関する基礎データを蓄積することである.さらに,このような過酷な熱および極超音速環境下において気流が物体に及ぼす力を知ることである. 平成12年度の主目標は,物体の基本形状の一つである円盤,球頭円柱,および円錐の3つのモデルについて,これらの周りの数密度や温度といった気流特性を分光計測により把握することである.またこれらの物体が高温気流の影響によってどのように変化するかを,合金の代表として真鍮およびステンレスを使って,X線マイクロアナライザにより物体表面における組成変化の様子を調べた.さらに,歪みゲージを利用した力天秤を製作し,これらの物体に作用する抵抗を調べた. ボルツマンプロットによる励起温度の推算から,物体澱み点近傍で3,500K程度になっているものと推定され,当初予定の4,000Kにまでは達していないようである.また,中性および電離した励起アルゴン原子の数密度分布を澱み点流線に沿って計測した結果,円盤,球頭円柱および円錐で三者三様となり,円錐では物体のない結果と近いこと,球頭円柱では円盤と円錐の中間的な結果が得られた.これと同様に,物体表面の組成変化も三者三様の結果となったが,その理由は物体周りの流れを考慮した脱亜鉛現象から説明がつく.一方,Cd値は非電離気流に比べプラズマ気流中では小さくなりそうなことが分かったが,これについては今後さらに研究を進める必要がある.
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[Publications] 加古真也,川添博光,寺崎琢馬: "超音速アルゴンプラズマ流による合金の組成変化とその流れ解析-真鍮およびステンレス円板の場合-"日本航空宇宙学会第31期年会講演会講演集. 295-298 (2000)
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[Publications] H.Kawazoe and S.Kako: "Characteristics of Hypersonic Plasma Flow Around MetalDisk and The Alloy Ingredient Alteration"AIAA Paper. 2001-0896. 1-10 (2001)
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[Publications] 加古真也,川添博光: "基本形状物体周りの超高温気流特性と抗力について"日本機械学会中国四国支部第39期総会・講演会講演論文集. No.015-1. 225-226 (2001)