1998 Fiscal Year Annual Research Report
放射状自由液膜流れの乱流遷移を応用した新しい液体微粒化法の開発と微粒化機構の解明
Project/Area Number |
10650185
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
東 恒雄 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40047329)
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Keywords | 乱流遷移 / 液体微粒化 / 液膜流れ / 境界層 / 流れの安定性 / 液滴 |
Research Abstract |
円管の先端と円盤とで構成した薄い隙間から水を放射状に流出し,層流境界層形速度分布を液面まで発達させた液膜を円盤周端から大気中に放出してできる放射状自由液膜流れでは,液膜が薄く流出レイノルズ数が大きい場合,乱流遷移直後で液膜に多数の穿孔が生じ,液膜が微粒化することがわかった. 実験に用いた円管の内径は25mm,円盤として直径50,60,70,80および100mmの6種類のものを用い,隙間の大きさは0.1mmから0.7mmまで0.05mm間隔で変化させて実験を行った.隙間から流出する前のよどみ点圧力は最高0.8Mpaであった. 遷移位置付近を,スチールカメラによる拡大写真撮影,およびマルチパルスレーザとストリークカメラを用いた高速度写真撮影により詳細に観察した結果,遷移や液膜の穿孔・微粒化は以下のような過程で生じることがわかった. (1) 同心円状のしわ状波(D波)の出現とその三次元化によるすじ状波の凹凸の形成 (2) 凸部における微細粒状波(SL波)の集中的派生(乱流遷移)と粒状波の密集したすじ状は液塊部の形成.凹部の薄膜化による薄膜部の形成. (3) 薄膜部における穿孔と孔の拡大.液塊部周辺の微小突起の分離による粒径数十ミクロンの液滴生成 (4) 液塊部の数珠状液糸への変形と液糸の再分裂による粒径数百ミクロンの液滴の生成 また,高流出レイノルズ数あるいは円盤回転により円盤上で遷移が生じる場合には穿孔が極端に抑制されることも明らかになった.さらに微小突起形分裂による微粒化が生じる条件を明らかにすることができた.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 脇本 辰郎 東 恒雄: "放射状自由液膜流の乱流遷移による液体微粒化に関する研究" 日本機械学会論文集B編. 64. 1326-1334 (1998)
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[Publications] Tsuneo AZUMA: "Instability and Transition of a Radial Liquid-Film Flow" JSME International Journal,Ser.B. 41. 493-501 (1998)
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[Publications] T.AZUMA and T.WAKIMOTO: "Breakup and Drop Formation of a Radial Liquid Sheet Induced by Laminar-Turbulent Transition" Proc.3rd Int.Conf.on Multiphase Flow,ICMF^*98. CD-ROM. Paper No.471 (1998)
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[Publications] T.WAKIMOTO and T.AZUMA: "Liquid Atomization of a Radial Liquid Sheet Due to Transition to Turbulence" JSME International Journal,Ser.B. to be published. (1999)
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[Publications] Tsuneo AZUMA: "Instability and Transition of Radial Liquid Film Flow on a Rotating Disk" Proc.3rd ASME/JSME Fluid Engineering Conf.to be published. (1999)