2000 Fiscal Year Annual Research Report
音源領域を考慮した遠心送風機発生騒音の能動制御に関する研究
Project/Area Number |
10650187
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
太田 有 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50211793)
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Keywords | 遠心送風機 / 翼通過周波数騒音 / 能動制御 / 波動モデル / 音響インピーダンス / 周波数応答関数 / 騒音低減 |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度に相当し,提案した騒音能動制御法の実証試験,改良を中心として,実験的研究を行うと共に,この3年間で得られた研究成果を国内外の学会・国際会議等で発表した. 本研究では,詳細な音源面密度の計測により,渦形室壁面上に分布する音源領域を定量的に確定し,その箇所を集中的に能動制御する新たな騒音低減化法の提案を行ってきた.本年度の改良点は,二次音源として使用する圧電素子の最大加振振幅に関するもので,特に高圧・高回転数の送風機を対象とした場合には深刻な問題になりかねない.本研究で対象としているような一般産業用の送風機・ブロワでは,能動制御を行う際の二次音源に対して小型かつ安価であることが必要となる.しかし,このような圧電素子では十分な加振振幅が得られず高圧・高回転数域での騒音レベルを有効に低減することは困難となる.実験で用いた送風機の場合でも,BPF1次成分の音圧レベルは2500rpmを越える高回転数域では僅か数dBしか低減できないという結果が得られている.そこで,騒音の伝播経路に着目し,伝播経路に関する波動モデルを提案することで,能動制御では低減が困難であるBPF1次成分を受動的に低減させる新しい方法の提案を行った.提案した波動モデルでは,音源の波長によって選択される個数の翼間通路と吸込管路を有効騒音伝播経路に仮定し,通路断面積の違いによる音響インピーダンスの変化,および大気中への放射インピーダンスによって形成される透過波と反射波を扱う.伝播系の特性を表す周波数応答関数を入口と出口の音圧比で定義すると,実験結果と極めて良く一致することが確認できた.この周波数応答関数を利用することで,例えば吸込管路長さを変化させる受動的制御により,流体性能に全く影響を与えずにBPF1次成分の音圧レベルを最大20dBも低減できることを示した.また,二次音源を利用した能動制御法と,幾何形状を変化させるだけの受動制御法を組み合わせることで,全体騒音レベルを著しく低減できると共に,特定周波数の騒音レベルのみを有効的に低減することも可能となり,送風機騒音の全く新しい騒音低減化法を提案できた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Ohta,M.Kikichi, et al.: "Active Cancellation of Noise Source in a Centrifugal Blower"Proc.9th Int.Symp. Unsteady Aerodynamics of Turbomachines. Vo.1. 1-12 (2000)
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[Publications] E.Outa,Y.Ohta, et al.: "Hysteresis of Rotating Stall in an Axial Compressor Cascade under Uniform and Stationarily Distorted Inlet Flow Conditions"Proc.9th Int.Symp.Unsteady Aerodynamics of Turbomachines. Vo.1. 1-10 (2000)
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[Publications] 曳地,大田,太田: "遠心送風機発生騒音の能動音源制御"日本機械学会2000年度年次大会講演論文集. Vol.5. 51-52 (2000)
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[Publications] 曳地,大田,太田: "遠心送風機翼通過周波数騒音の特性と低減化法"日本機械学会流体工学部門講演会講演論文集. (発表予定). (2001)