1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650191
|
Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
鯉渕 弘資 茨城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00178196)
|
Keywords | 液体界面 / 結晶界面 / モンテカルロシミュレーション / 数値計算 / 2次相転移 / 比熱 / 面積エネルギー / 曲げエネルギー |
Research Abstract |
液状物質の境界としての界面モデルは,3角形分割された曲面上でエネルギー関数S=S_1+bS_2を与えることで定義される。通常,面積エネルギーS_1は3角形の辺の長さの2乗の和,曲げエネルギーS_2は2つの3角形の間あ角度θを用いて1-cos θとしたモデルが標準的とされている。著者らもこのモデルで,初期的な研究を実施してきた。辺の長さの2乗和という面積エネルギーを持つこの標準的なモデルでは,界面上への細長い3角垂状の突起の出現が,それが面積エネルギーS_1の値を極端に大きくするために,抑えられるからである。 一方,面積エネルギーS_1を3角形の面積そのものとした場合には,細長い3角垂状の突起でもその面積が小さければS_1は小さな値にとどまり,その結果スパイク状の突起が界面上無数に現れてしまう。このため,S_1を3角形の面積そのものするようなモデルは界面のモデルとしては適さないことになる。ところが,この場合でも曲げエネルギーS_2として,ある特別のものを選べば,スパイク状の突起が抑えられることが著者らの過去の研究で判っている。 今年度は,力学変数が3角形頂点の位置変数X,3角形分割gの2つであるような「液体界面」について,エネルギー関数としては今述べた新しいモデルとして,モンテカルロ法(MC法)で相転移の有無を研究した。特に比熱の計算によって臨界指数を求めるなどして,相転移現象を定量的に調べた。その結果,2次の相転移が存在することがほぼ明らかとなった。詳しい内容はある欧文の学術論文誌に現在投稿中である。更に,この新しいモデルについて,力学変数が3角形頂点の位置変数Xのみであるような「結晶界面」についても,「液体界面」との違いも含めてMC法で研究中である。
|