1998 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分子燃料電池の高性能化のための反応・熱/物質移動に関する研究
Project/Area Number |
10650195
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菱沼 孝夫 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (20281785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 和重 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (90214741)
近久 武美 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00155300)
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Keywords | 燃料電池 / 固体高分子 / 単セル / 多層セル / シミュレーション |
Research Abstract |
固体高分子燃料電池(PEFC)を試作し、水素,空気供給系,ガス加湿系,電子負荷装置およびデータ収録装置より構成された電池評価設備により電池性能を測定した.電池には固体高分子膜と電極が一体に成形された有効面積104×104mmのGORE-SELECT膜(62μm)を使用し,両側から溝付きカーボンセパレー夕でサンドイッチし、電池1セルを構成した.更に多層のセルを積層し,その性能を測定した.電池性能はガス濃度および湿度,電池温度および圧力,高分子膜の物性,電極の活性,負荷(電流密度),電池構造,運転条件など多くの因子により影響を受けるので,二次元の電池性能評価シミュレーターを開発し,実験データを評価した. (1) 二次元電池性能シミュレーターの開発 反応ガスの電極における拡散,活性化分極,抵抗,濃度分極、高分子膜における水の拡散および電気浸透,電池における発熱量および冷却を考慮した二次元電池性能シミュレーターを開発した.本解析コードにより単セル試験,多層セル試験の実験結果をシミュレートできることを明らかにした. (2) 単セル試験 電池の電流密度を変化させ,供給ガス組成および流量,電池温度の電池性能に及ぼす影響を評価した.電池性能へおよぼす酸素濃度の影響は大きく、水素濃度の影響は少ない。電極反応はカソードにおける活性化分極が支配的であることが分かった.電池性能に対する水分濃度の影響が最も大きく,電解質である高分子膜を常に湿潤状態に保つことが最も重要であることが明らかになった.電池を常温状態からの起動試験を行った.電池の応答速度は速いが,電解質膜の含有水分量が変化するため,電池性能が不安定になるので、新しい起動法を考案した. (3) 多層セル試験 10セルより成る積層電池を設計し,電池の冷却方法および,生成水を回収し,再利用することにより,外部からの水の供給をなくす内部補給型燃料電池を検討した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Hishinuma,T.Chikahisa,H.Yoshikawa T.Kamo: "Experiment and Analysis on Performance of Polymer Electrolyte Fuel Cell for Automotive" 1998 Fuel Cell Seminar Abstracts. 655-658 (1998)
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[Publications] Y.Hishinuma,T.Chikahisa,H.Yoshikawa T.Kamo: "Performance of Polymer Electrolyte Fuel Cell For Automotive Applications" Proceedings of the 5^<th> ASME/JSME Joint Thermal Engineering Conference. AJTE99-6343. 1-8 (1999)