1998 Fiscal Year Annual Research Report
微細空気泡の吹き込みによる低揮発性液体燃料の予混合燃焼に関する研究
Project/Area Number |
10650196
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
北野 三千雄 岩手大学, 工学部, 教授 (30005467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳岡 英樹 岩手大学, 工学部, 助手 (40281951)
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Keywords | 液体燃料 / 予混合燃焼 / 空気吹き込み |
Research Abstract |
微細空気泡を利用する新しい液体燃料燃焼法を低揮発性燃料に適用するには,火炎の熱を積極的に上流にフィードバックさせ燃料の蒸発を促進する必要があるが,この目的のため,気泡層下流に発泡金属板または発泡セラミック板を置き,これを保炎板兼熱循環器とした.今年度は,保炎板の材質,空孔率および厚さ,初期燃料液面と保炎板との距離,燃料(灯油,重油)の予熱などの燃焼状態への影響を調べ,次のような結果を得た. 1. 保炎板の材質を比較した場合,発泡金属板の方が熱循環性能は良いが,その分,保炎板内部を通過する燃料の熱分解を促進するため,長時間の使用に対しては多孔部での煤の堆積が問題となる.発泡セラミック板でも多少の煤の堆積が見られた.発泡セラミック保炎板について厚さ(10〜30mm),空孔率(80〜88%)を変えたが,燃焼状態への影響は小さかった.ただし,空孔率の大きい方が煤の堆積による目詰まりを生じ難い利点を持つ. 2. 初期燃料液面と保炎板との距離は燃料蒸発のための有効時間に関係するが,低揮発性燃料を用いたときの保炎板への燃料の供給は,燃料蒸気としてよりも,気泡層先端部での気泡の破裂により飛散する小液滴による方が主であるため,この距離による燃焼状態への影響は,揮発性燃料(メタノール)のときほど大きくない. 3. 特に重油のような高い粘度を有する燃料では,保炎板内部での燃料流動を容易にさせ火炎の安定性を高めるため,適度な予熱を行って燃料の粘性を低減する必要がある. 4. 発泡セラミック保炎板を用いた場合,灯油,重油に対して,ほぼ保炎板全面が赤熱状態となる燃焼が比較的広い空気流量範囲にわたって実現できた.また,空気流量によっては,当量比=0.5のかなり希薄な領域でも安定に燃焼させることができ,熱循環による効果が確認された.
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